さよなら、シロツメ草

鳥がさえずり、風が吹く

時間がゆっくり流れていく

いつもと変わらぬ風景は

今日が最後の風景だ

明日、すべてが壊される

お別れを言いに来たんだ、この場所に


時には笑顔で頬擦りし

時には涙を染み込ませ

他愛のない思い出があふれている

草原(くさはら)一面のシロツメ草

風に吹かれて、揺れて揺れて

あの日さようならと泣きながら

手を振り続けた君のように


今まで失ってきたものと同じく

ここも記憶の中だけの場所になる

二度と会えない風景に

今の瞬間を詰め込んで、詰め込んで

いつかこの時間を思い出す日が

やわらかい光に満ちるために




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