杉原灰秋詩抄

杉山修司

ななたり

漸く刃輝ける軍場、血潮滴り

残香の中に吐息しつ、幽かに聴く太鼓

頭擡げて心置き朽縄、土師器に似つ甲、引分けて

其方のシシ食みて、いつたりの元へ行きて帰らぬ




ふりがな

ようやく、やいばかがやけるいくさば、ちしおしたたり

のこりがのなかに、といきしつ、かすかにきくたいこ

こうべもたげて、こころおきくちなわ、はじきににつきのえ、ひきわけて

そなたのししはみて、いつたりのもとへ、ゆきてかえらぬ



解説

タイトル……ななたり(七人)  

夜が明けて刃が光を反射したころ、ようやく終わった戦い

だが、すぐに次の戦いが控えてる。

頭をもたげた蛇は、硬い甲羅をもつ亀に歯が立たないが

亀もまた蛇にまきつかれては動けない

この戦い、僕と貴方とでは決着は付かず、どちらも負けた。

あなたとはもう戦う事は無いが、この経験を生かし

残る5人との戦いへ向かう




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