爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇
スライダーの会
Planet Blue chronicle
第壱話「西海之役」
Prologue
地球への小惑星衝突に伴う「日本人民共和国」の崩壊後、日本列島は政治的統一を失って分裂し、東京・九州を統治する「日本帝国」、埼玉・群馬を占領した「星川共和国」、近畿・中國を支配する「畿内軍閥」など、複数の地方政権が乱立する内戦状態に突入した。
日本帝国西海州政府首相として、九州の行政・軍事を指揮する
このような動きに対し、畿内軍の謀将として山陰・山陽を守護する
彼ら・彼女らと共に各地を転戦する中で見えて来たのは、西国の海道を血に染めた、稀代の天下大乱であり、その陰影に
第壱話「西海之役」
・原案:
・編集:
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思い返すと苦々しいが、あれが全ての転機だった。
宰相の座にもたれかかり、西日の熱を背に感じながら
彼女は今一人である。そして独りぼっちでもある。宰相の執務室には誰彼の姿もないが、たとえ公衆の盛り場に潜り込んだとしても彼女は孤独を味わう事になる。それは幾重にも巻き付く御用聞きや親しげな顔で甘言を弄する粗方を侍らせていても同じ事であるのがあはれに思わせるほどだ。
気は内に抑え、周囲のおべっか使いに顔の面を厚くして一切心を許さず、最近幅を利かせている空軍の
星川軍閥の手を借りて討滅された
自分も随分と人が悪くなった。笑うでもなく、嘆くでもなく、只そう思う。宰相吉野菫としての自分を心がけ、意識を持ち、諸々に神経を研ぎ澄ませ、方々の諸氏を疑って敵意を押し隠した。宰相とはそういう者であるべきだと思ってきた。しかし、演じる宰相吉野菫という役が実際の自分を犯し始めるに及び、次第に自分へ疑問を持ち出した。
どうしてこうなったんだろう。
ふとデスクの右側一番上の引き出しが気になった。ゆっくりと引き出されたそこには名刺入れや筆記用具等も入っているが一番に目に付くのは皺の掛かった紙製の箱とライターだった。銘柄が書いてあるが、その違いは分からない。只煙草であるという事だけが分かる。
吉野は箱を手に取ってそこから一本引き抜いた。覚えたてのぎこちない手付きで煙草を指に挟み、口元に近付け、ライターで火を付けフィルター越しに吸い込んだ。
肺が一辺におかしくなったような感覚が襲ってきた。思わず咳込み、装飾代わりに小物入れにしていた灰皿に煙草を押し付けた。
戦利品は今尚苦々しい。
「こんな物やるなんて、気が知れないわ」
吉野は咳込みながら悪態をついた。
今は遠くに失せた、嘗ての相棒へ。
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