こんな夢を見た/ストリート・テニス

青葉台旭

1.

 広いアスファルトの道路の上に、チョークでテニスコートのラインが引いてあった。

 道路を直角に封鎖するような形で、テニスのネットが張られていた。

 歩道に審判イスが立ててあり、その上に女子プロテニス選手のマリア・シャラポワが座っていた。

 僕はシャワポワが主審なのかと驚いた。

 真夏の炎天下、コートのライン際には大勢の野次馬やじうまたちがコートを取り囲むようにして立っていた。

 ガラのわるい連中が口々にはやし立てる様子は、まるでハリウッド映画のストリート・ファイトのシーンのようだった。

 僕の試合の順番が来た。

 コートのエンドラインに立ってボールを見ると、ボールは何故か、もめん豆腐だった。

 どうやってテニスラケットでもめん豆腐を打ったら良いか分からず、もじもじしていると、審判のシャラポワが「早くサーブを打ちなさい」と言った。

 僕は少しカッとなって「もめん豆腐を打つことは出来ません。できるというなら、見本を見せてください」と言うと、シャラポワは「私は審判です。サーブを打つわけがないでしょう」と言った。




 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

こんな夢を見た/ストリート・テニス 青葉台旭 @aobadai_akira

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ