妹の友達が可愛すぎです。助けてください。

帰宅研究部部長

第1話「妹の友達(天使)がやって来た!」

 夏休み

 それは全世界の学生が楽しみにしている行事のひとつである。

「ぐへへ、明日から夏休み。」

 夏休み最高夏休みは神夏休み素晴らしい夏休み天使!

 俺、水野智樹は頭の中でそんなくだらないことを考えながら1人で絶賛帰宅を満喫していた。

 別に友達がいないから1人で帰宅している訳ではない。

 俺が学校で数少ない帰宅部員だからである。

 運動部の皆さんは明日から夏休みにもかかわらず汗水流しているだろう。お疲れ様(ニッコリ)

 しかし相変わらず暑い。

 まだ7月なのになんだよこの暑さ。

 いや、もう7月か。


 しばらく歩いてやっと家が見えてきた。

 家の中がクーラーで冷やされていると考えたら自然と体が軽くなった。

玄関の扉までダッシュで走った。

 この1連の動作を誰かに見られたらまずかったかもしれない。

 恐らく気持ち悪い走り方をしてたと思う。

 落ち着こう、落ち着こう、一旦落ち着こう。

 明日から夏休みだからっていくら何でも舞い上がりすぎてた。

 ここは一旦深呼吸。

 吸ってー吐いてー、もう1度吸ってー吐いてー。

 この扉を抜ければしばらく学校に行かなくて良い!

 そんな気持ちを抑えて、いつも通りの声で「ただいまー」と言った。


 ん?何かおかしい。

 家に入った俺は違和感に気づいた。

 そしてその違和感にすぐに気がついた。


 靴


 見たことがない靴が1足ある。

 白い運動靴。

 そして隣には妹の靴があった。

 白い運動靴、そして隣に妹の靴があるという2つだけの情報ですぐに誰の靴か推測した。


 妹の友達


 家に入ってから約10秒で家に妹の友達がいると考えた俺、天才(ドヤッ)

 しかしどうするか、ここは素直に挨拶するべきか、あるいは思春期の男の子アピールで部屋に直接移動するか。

 よし、部屋に行こう。

 これは別に逃げてる訳ではない。丁度パソコンでゲームをしたいと思っただけだ。

 適当な理由を自分に言い聞かせながら階段に向かおうとした時、リビングのドアが勢いよく開かれ、妹が出てきた。

「おかえり。お兄ちゃん、ちょっと来て。」

 あ?

 そう言いながら妹は俺の腕を引っ張りながらリビングに誘導した。

 つまりこれはリビングに強制連行ってやつだな(白目)


「は、はじめましてお兄さん、桜井桜です。早苗とはいつも仲良くさせてもらっていましゅ!」


・・・


 目の前にいる姿勢正しく正座している子がかなり大きな声で自己紹介をした。

髪の毛は茶髪。腰あたりまで伸びている。

 顔は可愛い!とにかく可愛すぎる!

 さっき噛んだからなのか顔が耳まで真っ赤。

 恥ずかしそうに下を向いている。

 こっちをチラッと見てまた下を向いた。

 ヤバイ、天使だ!天使が地上に降臨したのか、あるいはここは天国なのか。

「この人は私のお兄ちゃん。」

 妹が俺の腕を掴みながら笑顔で言った。

「早苗の兄の水野智樹です。えっと、よろしく。」

「こちらこそよろしくお願いします。」

 グハッ

 もしかしたら可愛さだけで殺されるかもしれない。


 妹の説明によると、今日は夏休みの課題を一緒に終わらせようの会を家でやるらしい。

 本当は「夏休みの課題」という単語はあまり聞きたくなかった。

 そんなわけで俺は邪魔だから自分の部屋に行こうとしたら桜ちゃんに呼び止められた。

「あのー、もしお兄さんが大丈夫なら、その、べ、勉強を教えてくれませんか?」

「いいよ(即答)」

 キタ!これこそ俺が待ち望んでいた展開!

「あ、ありがとうございます!」

 少し頬を赤くして嬉しそうにしているところも最高!

 控えめに言って天使。

 そんなこんなで俺は可愛い桜ちゃん(天使)と妹に勉強を教えることになった。

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