第2話 夏休みと水遊び。

季節は夏。明日からはイベント盛りだくさんの夏休みだ。そうとなれば、あのアホ元気お嬢様のレイラが黙ってない。

「ユースケ、明日から夏休みよ!宿題なんか全部執事に任せて遊びまくるわよー!」

ほらな、やっぱり。

「いや自分でやれよ…ってか字でバレるんじゃないか?」

「大丈夫よ!私の執事は優秀だから私の筆跡をほぼ100%コピー出来るわ!」

お前のバカっぷりが丸分かりだよ。つかなんてスキル持ってんだ執事。俺も頼む。

「まずは…そうね、プールに行かない?明後日くらいに、二人きりで東京サマーアイランド!コマカイことはまた後で話すわ!じゃね!」

そう言ってレイラは教室を駆け足で出ていった。…プールか。まあお嬢様と一緒だし楽しいのは間違いない。が、お嬢様と二人きり――

「俺、明後日殺されるんじゃない?」


2日後、プールに行くと約束していた日。俺は 今、水着に着替えているレイラを待っていた。

「ユースケ、お待たせ!じゃじゃーん!」

すると古くさい自前SEと共にレイラが来た。黒と白のストライプ柄でフリルのあしらわれた可愛い水着姿だった。

「どうどう?似合う?」

俺は素直に答えた。

「生命の危機を感じる」

「なにそれ、死んじゃうくらいってこと?」

「例えじゃない。マジだ。万が一レイラのボディーガードがいたら俺は死ぬんじゃないかと」

「そうね、浮かれた気分でいたらプールに遺体が浮くことに―――」

「おい、もう帰ろうぜ(ガクブル)」

流石に今のレイラのギャグはウケない。

「血の流れるプールとかロマンチックじゃない?」

全っ然ロマンチックじゃねえよ!てかやっぱり俺は今日死ぬのか!

「まあ冗談はこのくらいにして、これから遊びまくるわよ!まずはウォータースライダー全制覇っ!」

そう言ってレイラは俺の手を掴み、ウォータースライダーへ一直線。あれが処刑場にならないことを祈る。

…まあお嬢様から誘ってきたんだし、大丈夫と思うことにするか。ありきたりな締め方だが、悪い冗談は水に流すとしよう。

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