忘れていた女の子があまりに可愛かったので会いにきた
araran
chaos
第1話交錯する世界
待って…
待って…
待って…
今むかえにいくから、、、
気づけば大通りに倒れていた。目の前には大通りを渡るための歩道橋があり、この通りはコーヒーが美味しいと有名であった。
横を見るとpipsの文字が。
pipsのコーヒーはとても美味しく香りがいいことで知られていていつも人が入ってるお店だ。
空は青く澄み渡っている。
大通りを走る車は休日だけあっていつもより多い。
ありふれた景色。
なぜ。俺はこんなところで気絶していたんだ。
こんな人通りの多いとところに倒れていたら目立つはずなのに、、、
とっ。一瞬視界が眩んだ。
なにが起きたのか。よくわからなかった。
だが、一瞬だけ違う光景がみえたのだ、人が誰もいない。荒廃した銀座の姿を。
********************
ねぇ、早く気づいてよ、、、
君はいま何をみてるの。
君のみてるものがみたい。
君の感じたことを知りたい。
君の思いを知りたい。
君と一緒にいたい。
早く迎えに来てよ、バカ。
********************
ふと誰かの言葉を思い出した。
なんとなく聞いたことのあるような声。
でもその声には懐かしさを感じることができない。
心になぜかひっかかる、鬱陶しい醜いものに思えた。
いつだって、、、
もうー、君は!
私から目を逸らさないで。
私を見て。
私にふれて。
私を感じて。
いつだって私は君のすぐ、側にいるよ?
今度は確かに聞こえた。
何かは思い出せない。自分だってよくわからない。
でも体はもう動いていた。考えるより先に、手を地面につく。
少し熱をもったアスファルトの感触を手で感じる。
力強く、これでもかというくらいに足を蹴り、階段を駆け上がる。
目に映る階段はまるでパラパラ漫画のように
次の段、次の段へと移っていく。
それぐらい前しか見てはいなかった。
景色が開けた。そこに広がっていたのは夕焼け色の空。
一瞬何が起こったのかわからなかった。
さっきまで青空だったのに…
タイムトラベルしたのかと思うくらいの動揺を受け、自分の記憶が不確かであるように感じた。
歩道橋がずっと向こうまで繋がっている。
その先にあるショッピングモールから煙が上がっていた。
あそこに俺を呼ぶ誰かがいる。
何故かそう感じた。
誰かはわからないけど。
会ったことがあるかもわからない。
長く真っ直ぐに続く歩道橋を俺は走り始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます