Tw300字ss
杜琴乃
ローズヒップティー
豪華な天蓋付きのベッドと白い小さなテーブル、ゴブラン織のクッションが置かれた狭いワンルーム。郊外の安アパートの一室。
強力な魔除の護符を飾っているので客人などはただの一度も訪れません。
ここは魔女の館、主はわたし。
さあ、今夜もはじめましょう。
グラグラと沸騰した湯を注ぎ
花の色がじわりじわりと染み出せば
ふわりとひろがる媚薬に似たその香り
透明なカップを静かに染める
丸くて繊細な
このガラス製のティーカップは
あなたの心臓
赤く滲む
ローズヒップは
わたしの情炎の揺らぎ
じわりじわりと
あなたを浸食してゆく
これは恋愛成就のブレンドティー
いつかあなたが
振り向きますように
夜な夜な嗜むティータイム
魔女が仕掛ける
秘密のおまじない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます