人形達は今日も今日とて争い続けるのである

楠木黒猫きな粉

第1話 始まりの合図

唐突だがこの世界には魔法がある。

科学もある。

宗教もある。

だがいくら技術が発展したとしても説明できない事だってある。

現に今説明ができない事が起こっているのだから


『やっほー、みんな元気してるー?』


少年のような声が全世界の人々、いや生物に聞こえた。大声で叫んでいるのではなく脳に直接語りかけられているのだ。


『なんだいその不思議な事が起こって呆然としているような感じは。僕は元気にしているか?と聞いたはずなんだけどなぁ。返事がなんて僕悲しい』


一人の男が声を荒げてこう言った


「お前は誰だ!何故こんな事をしている!」

『僕が誰だって?そんなの少し考えれば分かると思うんだけどなぁ』


つまらなさそうに少年が言う

そう、こんな大それた事を出来るのは考えられる中ではそれしか居ない


『そこの白い髪の少女は考え付いたらしいね』


それは多分私の事なのだろう。


『いや、君は…フフ、君は色々混ざっているね。アッハハハハハなんてこった久し振りにゲームをしてみようと思ったらこんな混ざり物を見ることが出来るなんて思ってなかっよ!』

「お褒めに預かり光栄です。神様」

『あっさり正解を言ってくるね君。後あれは皮肉何だけどなぁ』

「それよりゲームとは?」

『あ、そうそう忘れてた。僕は君達にあるゲームをしてもらいたいんだ』


誰もが嫌な予感がしているのだろう。それは私もだ


『君達にしてもらいたいゲームの名前は《ドールズウォー》って言ってね。人形戦争って言われてるゲームなんだよ』

「人形戦争?」

『それはルールを聞いたら分かるよ』

「それでルールは?」

『まぁそう急かさないでちゃんとルールと概要も説明するから。

よし静かになったね。それじゃあ説明するよ

まずゲームについて説明するね。

君たちには一人につき一体のドールが与えられるよ。あと魔法が使えない人も居るだろうから上級の魔法使いとおんなじ位の魔力を与えるよ。

ドールについての説明だけどドールは普通に喋ったり泣いたり喜んだりするよ。だって僕が作り上げたからね。人に近い人形になってるよ。あと特殊能力を持っている個体があるけどまぁ見た目で判断するのは無理かな。

次はルールだよ、ルールは簡単自分のドールが破壊されるかそれとも自分の参加券を破られたら敗北だよ。優勝条件は最後の一人になったら優勝だよ。優勝賞品は願いが一つだけ叶う事かな他になにか欲しがったら要相談だね。

まぁこれが大まかなルールかな。質問は受け付けないよ』


質問は受け付けない。疑問は持つなと言うことだろう。そしてこれも神の気まぐれというわけだ。


『さぁて開戦の合図をしようかな』

「開戦の合図?」


神は問答無用で言葉を繋げていった。


『さぁ開戦だ!』


その言葉を聞いたとたんに全員の意識がなくなった

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