百日の雨

 静かな静かな空に鳥が飛び去っていく

 白い翼を持つ鳥が空の彼方へ飛び去っていく

 一体どこに向かうのだろう 平和の印をたずさえて


 まるでまだ夜が明けていないような薄曇りの空

 遥かな地ではまだ銃声が響いてる

 爆音はここまでは届かないけれど


 地図の形すら変えるような争い

 機械が制御する戦争

 そのいさかいを突き動かすものは何


 ここまで進んだテクノロジーにもはや逃げる場所などなく

 昔隠れた洞窟も 人の住めないような奥地でも

 全ては彼らの御機嫌次第でどうにでもなるよう


 僕らは空を見上げる

 何もかも失ってただ空を仰いでる

 この雲の上で笑っている太陽を望む

 それが何の根拠もないものであっても


 薄く垂れ込めた雲から雨が降る

 全ての穢れたものを洗い流すように

 最後のロウソクを窓の近くで灯して

 ずっとずっと続く雨音を聴きながら眠ろう


 百日の雨が降り続く

 もう大地と呼べるものもなく

 機械だけが与えられた命令を繰り返している

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