あてのない旅

 ふわりと空に浮かぶ

 鳥みたいに羽ばたきもせず

 シャボン玉のように浮かぶ


 ふわり ふわり 風に乗って

 ふわり ふわり あてのない旅

 ふわ ふわ ふわり ふわふわり


 翼から解き放たれた羽のよう

 そのままでいれば そのままゆっくり着地する

 ゆっくり ゆっくり 降り積もるように


 ずっと ずっと 遠い所へ

 ずっと ずっと 高い所へ

 ここではないどこかへと導いて


 高層ビルに引っかかって

 行きかう豆粒たちの流れを見てる

 まるで顕微鏡で見ているみたい


 空は限りなく広く

 お日様は眩しいほどに輝いて

 この無限の要素に含まれていたい


 どこにもいなくなって

 どこにでもありふれている

 誰の目にも触れなくて

 誰もが目にしている


 ふわり ふわり

 風の途切れた午後

 羽が大地に触れる

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