第5話 「まいくろ」
「まいくろ」は、ぼくの中の闇
(ぼくの「まい」。閉ざされた「くろ」。みえない「くろ」。)
閉ざされた空間
閉ざされた怒り
閉ざされた喜び
閉ざされた悲しみ
閉ざされた苦痛
閉ざされた欲望
閉ざされた願望
閉ざされた理想
閉ざされた魂胆
閉ざされた企み
閉ざされた真実
閉ざされた虚飾
閉ざされた実像
閉ざされた現実
閉ざされた憂鬱
閉ざされた失望
閉ざされた模倣
閉ざされた未来
閉ざされた感動
そうした、もう、あんまり、まともじゃないものが
小さな小さなお薬のカプセルのように・・・(マイクロ)
ぎゅぎゅっと詰め込まれ
ぷちっと封をされた、虚構の空間です
閉ざされたことさえ
もうわからない
真実と虚飾とが入り乱れ
理性と反理性が反応し
消滅し
燃えカスだけがのこされた
ただの偽りだけの自己空間
児戯にも等しい
矛盾に満ちた
悲しい空間です
その美しい
自分勝手な夢の中で
さいごの陳腐な舞(まい)を披露しながら
歳をとったぼくは、もうやがて消滅してゆくのです
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