ハッピーエンドは

もやし

第1話

「どうしてこうなった…」

9月、俺の人生初の恋が終わった…

ーーーー遡る事4ヶ月前ーーーー

「今日もいい天気だな」

「相変わらずのんきで良いな祐樹は…」

そう隣でぼやいているのは、斎藤弥彦。中学生からの友人で、一言で言うとバカ。

「俺なんか中間テストがわるかったせいで、親に怒られっぱなしだぜ…」

「それは自己責任だろ笑」

「なんだとこの凡人!!バイトの苦労も知らないくせにー(怒)」

…そう、朝っぱらから騒がしいが、これが俺の日常。今日も特に変わりの無い一日になる、はずだった…。

ーー放課後ーー

「好きです!!こんな私でよければ付き合ってください!!」

「??!!」

俺、完全に沈黙…。

目の前で深々と頭を下げているのは新川陽菜。同じクラスで今年から知り合った子。正直、可愛いなーとは思っていたがまさか、告白されるとは…。

「なんだかごめんなさい///」

俺が固まっていたのをみて、困ったのか、とてもモジモジしている。

(かわええなー///…いかんいかん、返事をせねば)

「ごめん俺、こういうの初めてで、なんて返事したら良いかわからないんだ。だからもう少し待っててもらえないかな?」

これが今、俺に発することができた唯一の言葉だった。

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