第3話
いくつかの短い休憩を挟み、話し合いは九時間にもおよんだ。
「そうですか。仕方がありません。ここまで言ってもあなたの決意が揺るがないと言うのであれば、私たちはあなたの意志を尊重します」
二人はついに折れた。
ともに悲しそうな顔をしていた。
二人は、最後の最後まで私をこの先に行かせまいという想いに満ち溢れていた。
さすが最終防御壁と呼ばれるだけのことはある。
素晴らしい女性たちだ。
中年女性がテーブルの上にあるスイッチを押すと、先ほど私をこの部屋に案内した男が入ってきた。
「こちらです」
二人と違い、徹底した事務口調だった。
これはこれで、そういう人間を使っているのだろう。
廊下をしばらく歩いた先に、それはあった。
中には小さなテーブルと簡易ベッドだけ。
テーブルの上には水の入ったコップと、二錠の薬。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます