無常のしらべ

飛花落葉ひからくよう 滑稽な叙景


睫毛の憂いは

センチメンタルの代償


張りつめていた 昨日の行方

散るは美しく 物言わず


此の世は折しも 夢幻泡影むげんほうよう

際限の無いまま 辿り着けない


さりげなく窺ってみたつもり

思いがけず刃となりて 本末転倒


血塗られた掌に囚われた心


雨に打ち抜かれても

透明には及ばない


傷は癒えたが 過去は拭えない


胸の鼓動に赤い傘を


赤い傘に白い毛布を


包み込むようにひらいて泡沫うたかた


あなたの見せたかった姿

わたしの魅せられた媚薬


おそらく同じ花の行く末


幻想と呼ぶには生々しい


死することわりを纏い

匂い立つように息衝く


消え失せてしまうのが

怖くて 怖くて

逃げおほすは 百花繚乱


宥めるように 乱れてうたう 暁七あかつきなな

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