夏の旅人

明日は

どうか光を浴びて


花のような

君に還るために


ずっと、ずっと

続いていたサヨナラに別れを


もう一人の僕が

手招くように響かせる

哀しいメロディ


思い出を支配する前に鳴り止んで


雨は上がって

虹が架かって

イメージよりも遠くで滲む


365日前に

描いていた夏が来る


眩さはなくても

ただ、そこにある希望


永遠のように

死ぬことのない絶望


きのう切望していた明日は

優しい今日になって君へと導く


風が吹いて

からからと音を立て

心をノックする


365日前に

描いていた夏が来る

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る