罫線のないノオト

結城かおる

第1話 女の嫉妬、男の嫉妬

4月下旬に果たした「カクヨム」デビューは

中国の唐代を舞台とした歴史小説の短編

螺鈿らでんとり」であったが、

地味でダークなストーリー、しかもヒロイン可愛げ絶無な話だったので、

「こりゃ需要ゼロかも…せっかくのデビュー作なのに

よりによって、なんで真っくろな話を投稿した?あんたバカア?」

と自分を罵りながら、誰も読んでくれなかったらどうしよう…と心配していた。

幸い、数万プレビュー!とか星が降るように!という訳にはいかないまでも、

プレビューもコメントも頂き、レビューも書いてくださる方もおられ、

まずは胸を撫でおろした。世間って存外に広いものだなあ…。


そして、筆者が思う以上に、

「螺鈿の鳥」の世界を「怖い」「女性のドロドロ」と

「嫉妬コワイです」と受け取った方々がおられたようで、

何らかのインパクトを読者に与えられたかな、とニンマリした。


とはいえ、私自身は女性のドロドロ話が大の苦手である。

フィクションの、いわゆる「大奥もの」「後宮もの」や

その類の話にアクセスしないこともないが、

大変にストライクゾーンがせまい。

実際に、「螺鈿」を書いているときは、

話を怖くしようとか残酷にしようとかことさらには思わず、

流れにまかせてスルスルと書いてしまったので、

高いトーンで叫ぶような恐怖ではないが、

かえってコケ脅かしではない怖さが滲みでたのかもしれない。


さて、「螺鈿」でも重要な役割を果たし、

また女性の「怖さ」を語るときしばしば持ち出される

「嫉妬」に関して一言。


実際の生活で女性のあれこれに

「コワイよー!」と叫びたくなることも

見聞してガクブルすることもある訳だが、

それ以上に、やはり

「おかーちゃーん!!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」

と叫びたくなるのは、男性の嫉妬である。


色恋に関する男の嫉妬もあるが、

私がむしろコワイナア、と思うのは

仕事上の男同士の嫉妬である。

私の周囲にも、

同性の同僚に仕事のうえで

凄まじい嫉妬や嫌がらせを受けた男性が何人かいて、

それぞれに話を聞いたことがあるが、

この嫉妬のせいで大いに苦労した人もいれば、

苦労したあげく性格が歪んだかな?と思われる人(トホホ…)

もいる。


いつか、「男の嫉妬」をモチーフに小説を書いてみたいものである。

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