グレイブルー

芽吹きの産声が、暫くして夜泣きになる。

木枯らしの嘆きは思い出せなくなった。


乾いた結晶が肌に砕ける時、

赤子の成長を忘れてしまう。


慟哭や、承認の欲求が身体を冷ます時、

私は他人の温かさを忘れてしまう。


マジックアワーが終わりを告げると

哀しみと焦燥感が募る。


喜びを覚えると、

私を虚しく思う。


優しさを受けると、

罪悪感が芽吹く。


芽吹く悪心おしんは、

枯れない生命体。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る