様々

夏の事を思い出せない。


半袖の他人を横目に、汗で視界がままならない。

腕毛を剃らなければならないなぁとか思いつつ、

だらけた顔の男は

半袖を纏い、職場に向かう。


身体の肉が凄いから、胸が強調される。

筋肉ではないのだ。

乳首も浮かび、恥ずかしさで体温をまた上げる。


コンビニは糞程涼しくて、

アイス珈琲を求めた声が上擦る。


蝉の声は無いが、喧騒が耳障りで顔をしかめる私。

周りも同じ顔なのは、低気圧のせいか低血圧か。

仕事の進捗も悪く、

ただただ良い気がしないのも毎日続き、

昼過ぎにはもっと気温が上がるのだ。


冬の着込みを恋しく思い、

これから半年続く暑さを疎ましく思い、

独りを疎ましく思い、

誰かを想ってしまった私は

ふと、我に返るのだ。

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