何かとは

あの世に逝った友人を思い出した。

自分の命が続いているのに、友人の命が終わってしまった。

あれから何年たったか。ぼんやりと思いを馳せた。

他人に気を使う人だった。

必要以上に気を使う人だった。


晴天が続いた。

彼の好きだった冬は、もう、しばらくいなくなる。

また、半年と少し過ぎれば冬には会える。

心臓が堕ちていく気がした。


他人を適当に扱う人や、雑に扱う人や。

自分が良ければそれで良いと思う人や。

他人の数だけ、似通った人がいる。


私は、社会人として数年生きている。

雑に他人の事を考え、人について雑に考えた。

人にとって大事なことはまだわからない。


幼児用の絵本売り場を見ながら、私は今日の夕飯を考え出していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る