夕陽が見送ってくれた。
堰を切る様に走った。
イヤホンから流れる私の希望の歌が、発破をかけた。
ああ、楽しい。気持ち良い。浮足立って、いや 浮いている。
タムッタムッ タッタッタ
呼吸がリズムよく弾み、何処までも走って行ける。
靴底が、靴下が、足のタコが。
擦れていく。
擦れていく。
私は叫んだ。誰にも聞こえない精一杯の叫び。
死にてえ。死んでしまえ。うるせえ。黙ってろ。自分なんて嫌いだ。
死んでしまえ。お前なんか、僕なんか生きている価値なんてない。
死んでしまえ。
助けてくれ 助けてくれ 誰か助けてくれ。
死にたいんだ。
死にたくないんだ。
誰か傍にいてくれ。
うるさい。黙ってくれ。
うるさい。
助けてくれ。
楽しい思いが、消えていく。
楽しかった。 が、消えていく。
寂しさが増えてくる。
誰も僕が見えない。見えている。見ている。僕だ。気づいてくれ。
気づかないでくれ。気づいてくれ 気づいてくれ
築いてくれ。人生をやり直させてくれ。
僕と築いてくれ。しっかり。
烏滸がましいなんて言わないで。
皆、烏滸がましいでしょ?
なんで、言っちゃ駄目なのかしら。
僕だけなの?
皆は、皆は僕じゃないの?
自分だけ助かれば良いから助けてくれ。
助けてくれ。
助けてくれ
堰を切った様に走った。
僕は
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