贖ういのち

私の工房は、愛する我が子の手で焼き落とされた。「ごめんなさい」と虚ろに繰り返しながら彼女が撒き散らした油の滴る音、カシッ、と燐寸の擦れる音、それがあっさりと指先を離れ、ぼぅ、と小さな焔の生まれる音。それら全てを私は、目玉を宙吊りにしたように凝視しながら、足を地に縫い付けたように木偶の人形と化し、やがて上等な絹のような紅い朱い浄化の布が、私の流刑地を本当の墓場にしてゆくのを見届けた。全身を焦がす熱い痛みを知らない子らは、只只穏やかに逝ったことだろう。一対の神子を、除いては。

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