ゆめ

永久凍土の下で化石になる、夢を見て目覚めた私は分厚い硝子瓶を満たした液体の中で溺れかけていて、息はできるのに声は出ない。祈りも呪いもひとしく泡になって、ゴポゴポと上昇していくのを眺めて水面を目指せるだけ、泡の方がどんなにか佳いだろうかと思う。体内にとどまった言葉がどろどろと溶けだしてまた固まってその過程で芥を取り込んで、重たい毒の枷に変わり私の頭の方へ流れた。その重さで底なし瓶を落下してゆく私は海月の夢。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る