6・節約は彼方へ

「う~ん、どうしたものか……」


 千人は入りそうな会議室。そこでは、あらゆる分野の専門家達が頭を抱えていた。


「水力・火力・風力・原子力・磁力・振動・太陽光・月光・波・地熱・火山・雷…… これ以上エネルギーを確保できるものはないぞ……」


 一人は電子煙草をふかし、一人は電子ペンをクルクル回す。

 一人はただ電子ボードを見つめ、もう一人は電子ガムを食べだす始末。


「今のままでは五十年すらもたないぞ……」


「我々にはどうすることも出来ないのだろうか……」


「しかし、どうにかするしかあるまい……」


「ここは原点に戻るべきではないだろうか?」


「それはそうかもしれん。私の国には『温故知新』という言葉があるくらいだ」


 先しか見ていなかった専門家達は、過去、つまりは先人達の力を頼ることにした。


「…………………」


「…………………」


「…………………」


「…………………」


 専門家達はある発見をした。


 昔から変らず増え続けているエネルギーを発見したのだ。


 専門家達は話し合い、世界各国のトップにメッセージを送る。


 各国のトップもそれに納得し、そのメッセージを発表した。



「明日から全て人力とする」

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