4・矛盾な生き物

「どういうことなんだ? どう解釈すればいいんだ?」


 彼は必死に考えていた。


「まるで訳が分からない、何をどうすれば……」


 計器類は悲鳴を上げて煙を出しており、各コンピュータの処理能力も限界に近づいている。しかし、彼はどこから手を付ければいいのか分からないでいた。


「もうだめだ、もうだめだ、どうすることもできない! もう限界に……」


 けたたましい音を上げ、頭から煙を出した彼は停まってしまった。周りにいた者は、落胆に満ちた表情で彼に近づいていった。


「博士…… またしても失敗ですね……」


 助手のひとり、サポサポが言った。


「あぁ、そうだな…… 今回は成功すると思ったのだがなぁ」


 停止してしまったロボットを触りながら、博士のドクドクはそう言った。


「様々な専門知識・運動データを入れるところまでは上手くいくのだが、人間や法のデータを入れるとすぐにこれだ………」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る