ワールド・ループ 小説版

Lewn(レン)

プロローグ

プロローグ:一般サイエンスⅠ

カタッ、カタカタッ

「よし。これでまずプロトタイプができた。        

 後はバグの修正をするだけだ。」

 暗闇に包まれた部屋に、一人の人間。その人間は、ニヤリと笑い、何処かへ消えていった。


 「よし、こんなものでいいかな。」

まったく売れない小説家、翔陽は、今朝見た不思議な夢をパソコンでまとめていた。そして、パソコンを閉じたとき、翔陽はふっと思う。

(思えば、もうあれから、5年も経つのか。あいつは元気だろうか。頼むから、死なないでくれ。)

そう思って、病院に行こうとする翔陽だった。

 病院につくと、真っ直ぐにある病室に向かった。病室につくと、それはいつも通り眠っていた。そして、翔陽はいつも通り、話しかける。

「頑張れ、頑張れ、」

と。そこまで命にかかわる病気ではない、と先生は言っていたのだから、ほかの人から見たら、風邪の患者に、死なないで、と言っているようなものに見えるだろう。

 しかし、翔陽は思う。







いつも通りが、明日も続け。






                                     と。

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