「雨の日にお庭を見てはいけない」――とある屋敷に住む叔母さんが常に注意していた、何の変哲もない美しい庭。
ですが、その忠告を友人が破った時から、主人公はその奇妙なタブーに挑む決意を固め……。
しとしとと降り続く雨の持つ憂鬱さと美しさが具現化したような、常識そのものを狂わすような「庭」と、それに翻弄される主人公。そんな彼女にやさしく接していながらも底が見えない叔母様が、更に日常が崩れそうな恐怖を与えてくれます。
雨が降りしきる中、綺麗な庭で待つものは……。
恐ろしさと艶やかさが入り混じる、心にぞっと染みわたるホラー作品です。