第21話 アリス、戦いに出遅れる!?

迷惑な変な妖精のぬいぐるみ3姉妹の戦い。


「いけ! 天使たち!」


長女、幸福の女神のハッピーちゃんは、天使たちを従えている。


「蹴散らせ! 悪魔たち!」


次女、不幸の女神アンハッピネスちゃんは、悪魔たちを従えている。


「アリス!? 起きてください!?」


三女、運命の女神ディスティニーちゃんは、運命の騎士ディスティニーナイトのアリスを従えている。


「クルクル・・・。」


アリスは長縄にぶつかって、気を失って倒れている。


「起こしてあげようか?」


一緒に長縄にぶつかった小学生のマリーアントワネット・萌子の方が先に正気を取り戻していた。


「お願いです。」


ディスティニーちゃんはマリーアントワネット・萌子にアリスを起こすことをお願いした。


「おばさん、アリスおばさん。」


マリーアントワネット・萌子は気を失っているアリスの耳元に囁いた。


「誰がおばさんだ!? 私は女子高生だぞ!?」


アリスは復活した。女子高生がおばさんと言われる衝撃は、気を失っていて目を覚ますほどの衝撃だった。


「ねえ、起きたでしょう。」


マリーアントワネット・萌子は得意げな顔をする。


「さすがです。」


ディスティニーちゃんはマリーアントワネット・萌子に感心した。


「これは!? どうなっているの!? 悪魔と戦っているのは何者!?」


アリスの目の前で悪魔と何かが戦っている。


「あれはハッピーお姉ちゃんが呼び寄せた天使です。」


ディスティニーちゃんは気を失っていて現状を理解していないアリスに説明する。


「天使!?」


アリスは天使と聞いてビックリする。


「わ~い~! 天使だ!」


アリスは天使を見て喜んだ。なぜなら悪魔と戦う天使がいれば、自分が戦わなくていいからだ。


「何を喜んでいるんですか!? 本当はアリスが運命の騎士ディスティニーナイトに変身して戦う、1番おいしいところじゃないですか!?」


運命の女神ディスティニーちゃんは、アリスを叱る。


「いやあ、私的には別に戦いたくないし。ほら、雑魚敵でなく、傲慢のルシファーとか悪魔キャラクター軍団が出てきた時点で、私が毎回変身して、運命を変えていく話じゃなくなってるし。」


そう、アリスの意見もごもっともである。しかし敵が雑魚キャラでは話が盛り上がらないのだった。


「それにしても人数が増えたわね。悪魔が8匹、天使が4匹と。」


不幸の女神アンハッピネスちゃんの配下の悪魔。憤怒のサタン、傲慢のルシファー、強欲のマモン、暴食のベルゼブブ、無のベリアル、嫉妬のレヴィアタン、色欲のアスモデウス、惰性のベルフェゴールの悪魔8匹である。


「あら? ベルちゃんまで来てる? 珍しいわね。」


長縄跳び中には一切の悪魔に触れて紹介することはなかった。


「やっと触れてもらえました。」


惰性のベルフェゴールは話す機会を得て喜ぶ。


「アインの側から離れるなんて珍しいわね?」


アリスは惰性のベルフェゴールが弟アインから離れるのだ珍しかった。


「我々、悪魔にとってアンハッピネス様の命令は絶対です!」


悪魔の主は不幸の女神アンハッピネスちゃんなのだ。


「アリス! 俺のパワーアップした壁ドンとストーキングをお見舞いしてやるから、覚悟しておけよ!」


続いて色欲のアスモデウスがアリスに宣戦布告する。


「どなたでしたっけ?」


アリスは、アリス親衛隊に排除される色欲のアスモデウスなんていうナンパな悪魔を覚えていなかった。


「あんまりだ!? 酷過ぎるぞ!?」


色欲のアスモデウスは意気消沈した。


「いいな。みんな仲良しで。嫉妬しちゃうな。」


嫉妬のレヴィアタンが伊集院イザベラに嫉妬のアンハッピネスを撃ち込んでアリスを襲わせたのであった。そしてアリスは運命の騎士ディスティニーナイトになったのだ。


「あなたも知らない。」


アリスは操られている伊集院イザベラにはあったが、嫉妬のレヴィアタンは知らなかった。


「そ、そんな!?」


嫉妬のレヴィアタンは落ち込んだ。


「・・・。」


無のベリアルがアリスの前に立ち見つめる。


「・・・。」


アリスも無のベリアルを見つめ返す。


「・・・。」


しかし無のベリアルは何もしない。


「何にもしないのかい!?」


アリスは無のベリアルを蹴り飛ばした。


「これで間の空いていた悪魔たちは紹介できたわ。」


アリスは出番の少ない悪魔に優しかった。


「アリス! 俺たちも紹介しろ!」


傲慢のルシファーがアリスに詰めかかる。


「そうだ! そうだ!」


暴食のベルゼブブが追い打ちをかける。


「私は儲からないなら出なくていいよ。」


強欲のマモンは、あくまでもビジネスストライクだった。


「あなたたちは最近出てるから別にいいでしょう!?」


アリスは提案を却下する。


「ブー! ブー!」


悪魔たちがブーイングする。


「却下。」


それをアリスは一蹴する。


「あとはディスティニーちゃんのお姉ちゃんのアンハッピネスちゃんと憤怒のサタンね。」


アリスは、この2人も紹介は要らないとした。


「アリス、お疲れ様です。お茶をどうぞ。」


運命の女神ディスティニーちゃんは、悪魔紹介に疲れたアリスにお茶を渡す。


「ありがとう。少し休憩するわ。」


アリスはお茶を飲んで休憩時間に入った。


「その間は私がつなぐわ!」


マリーアントワネット・萌子がアリスが休憩中がんばると言う。


「萌え萌え、萌え萌え、私はこの国の萌子女王なのだから!」


マリーアントワネット・萌子は1人で寸劇に入った。


「パンが無い? それならお米を食べればいいでしょう!」


マリーアントワネット・萌子は次々とセリフを身振り手振りを入れながらがんばる。


「オッホッホッホ!」


マリーアントワネット・萌子は、即興でネタに困り、高笑いするしか術はなかった。


「オッホッホッホ! ・・・。」


高笑いを続けるのも限界に達する。


「アリス復活!」


その時、アリスが休憩から帰って来た。


「マリモ、ありがとう。」


場をつないでくれたマリーアントワネット・萌子にアリスは礼を言う。


「あ・・・り・・・がとう、アリスおばさん。」


マリーアントワネット・萌子は力尽きて倒れる。


「誰がおばさんだ!? おばさん言うな!」


アリスは感謝をしても、おばさんと呼ばれることは許せなかった。


「で、次。ディスティニーちゃんのお姉さんの幸福の女神のハッピーちゃんの親衛隊が天使なのね。」


アリスはディスティニーちゃんに確認する。


「そうです。あれがハッピーお姉ちゃんの天使親衛隊です。あそこの剣と天秤を持っているのがミカエルです。戦闘能力が高いのと、神に変わり魂を裁くことをゆるされている天使です。」


ディスティニーちゃんは天使のミカエルを紹介する。


「次にガブリエル。死者を甦らせたり、特殊な能力を隠し持っていて、都合よく使用してきます。趣味は、ラッパの音楽愛好家です。」


次にガブリエルを紹介する。


「次にラファエル。回復専門の癒しの天使です。普段はおっとりしていますが、怒らせると1番厄介です。」


次にラファエルを紹介する。


「最後にウリエル。神の光と神の光を司る天使です。自分の力が強大すぎて使いこなせていません。悲しいですね。」


最後にウリエルを紹介する。


「天使にもいろいろな天使がいるのね。」


アリスは感心する。


「アリスは運命の騎士ディスティニーナイトに変身して、この天使と悪魔と戦わなければいけません。」


運命の女神ディスティニーちゃんは、アリスに運命の騎士ディスティニーナイトととして戦うように言う。


「ええ!? この人たちと私なんかが戦えるかしら?」


アリスは首をひねる。できれば戦いに参加したくないアピールをする。


「傲慢のアンハッピネス!」


傲慢のルシファーが闇のオーラを放ち天使を襲う。


「ミカエルハッピー!」


天使ミカエルは聖なるオーラで悪魔を攻撃する。


「でやあああ!?」

「どりゃああ!?」


天使と悪魔たちの死闘は壮絶なものだった。


「やっぱり嫌。こんな化け物たちと戦いたくない。」


アリスは戦うことを拒否するのである。アリスにとって、天使と悪魔は化け物でしかなかった。


「ねえねえ、普通は私にも仲間がいるんじゃないの? 普通は5人で戦隊ものよね?」


アリスは自分にも仲間が欲しいと言う。


「どこからズレたんでしょうね? 伊集院イザベラを助けて、そのまま仲良くなって、運命の騎士ディスティニーナイト2号になる予定だったんですけどね。」


ディスティニーちゃんも考え込んでしまう。


「全て兄アーサーが悪いのよ! どうでもいいところで引きこもりのダメ人間を卒業するから!」


そう、イザベラ編に行く前にアリスには懸案事項の兄アーサーと弟アインがいたのだった。


「卒業さしたのは、アリスですけどね。」


全ては運命の騎士ディスティニーナイトの運命を変える力のおかげである。


「それでもイザベラちゃんを足しても、まだ2人よ?」


アリスは自分の仲間探しを本気で考え始める。


「3人目は宇多田ウジュの予定です。」


ディスティニーちゃんが3人目の運命の騎士の名前を言う。


「ウジュ!? あの傲慢な女がディスティニーナイト!?」


アリスは触れてはいけない言葉を口にしてしまった。


「傲慢って言ったな! 俺を呼んだか!?」


傲慢のルシファーが天使と戦いながら、アリスに呼ばれたと思い振り返る。


「呼んでないわよ!」


アリスは一蹴する。


「なんだ・・・ガッカリ・・・。」


傲慢のルシファーはアリスに怒られてガッカリする。


「え?」


アリスは落ち込んだ、傲慢のルシファーを見て、言葉にできない寂しさを感じる。


(どうして私は、あいつが落ち込んだ姿を見て、戸惑っているの?)


アリスにも自分の気持ちが分からなかった。


「戦闘中によそ見をするとはな! もらった!」


天使ミカエルが傲慢のルシファーに突進する。


「うわあ!?」


天使ミカエルの剣が傲慢のルシファーの体を突き刺す。


「キャア!?」


アリスは思わず悲鳴をあげてしまう。


「悪魔1匹倒した。」


天使ミカエルは剣を傲慢のルシファーの体から引き抜くと、ルシファーを地面に蹴り落とした。


「うわあ!?」


傲慢のルシファーは地面に墜落する。


「ルシファー!?」


アリスは心配そうに傲慢のルシファーに駆け寄る。


「ちょっと!? 大丈夫!?」


アリスは傲慢のルシファーの心配する。


「お・・・俺としたことが・・・ミスったぜ。」


傲慢のルシファーは刺されて血が出ていても、傲慢だった。


「死にかけても傲慢なのね。」


アリスは少し安心して笑う。


「俺は傲慢だからな。」


刺されて痛いはずの傲慢のルシファーだが、あくまでも傲慢を貫き通す。


「ワッハッハー!」


アリスと傲慢のルシファーは戦闘中なのに笑いあっていた。


「どうして人間と悪魔が仲良く笑っているんだ?」


その様子を見ていた天使ミカエルには理解できなかった。


「そこの人間! 悪魔とじゃれあうな!」


天使ミカエルは人間が悪魔と楽しそうにしているのが気に入らなかった。


「あ・・・悪魔が悪い奴って、誰が決めた。」


傲慢のルシファーは悪魔だが、悪魔だからといって、悪いと決めつけられるのは許せなかった。


「あなたね! 剣を指して怪我をさせといて、その言い方はないでしょう!」


アリスは、逆に天使ミカエルを怒る。


「な、なんだと!? 人間が天使の救済を拒むというのか!?」


天使ミカエルには、アリスの言うことが理解できない。


「おい、アリス。」

「なに?」

「天使がいい奴だって、誰が決めた。」

「そうね。」


アリスと傲慢のルシファーの目の前にいる天使ミカエルは、自分の価値観では理解できないことに遭遇して、顔の表情が怒り狂っていた。


「おまえたちなんか! 私が裁いてくれるわ!」


天使ミカエルが神の代行者の名の下に、アリスと傲慢のルシファーに突進する。


「おまえは下がっていろ。」


傲慢のルシファーがフラフラと起き上がる。


「でも、あなたは傷が!?」


アリスは傲慢のルシファーの心配をする。


「アリス、おまえぐらい守って見せる。」


傲慢のルシファーも天使ミカエルに向けて突進していく。


「ルシファー!?」


アリスは飛び去っていく傲慢のルシファーを見て心配する。


「傲慢のアンハッピネス!」

「ミカエル・ハッピー」


闇のオーラの傲慢のルシファーと聖なるオーラの天使ミカエルが上空で衝突する。


「ゲフッ!?」


また天使ミカエルの剣が傲慢のルシファーを切り裂いた。


「いやあ!? いやあああああああ!?」


アリスの声が周囲に響き渡る。


「ルシファー!?」


不幸の女神アンハッピネス様と悪魔たちも、その光景を見る。


「ハッピーでございます。」


幸福の女神のハッピー様と天使たちは、自分たちが勝つ者として平然として見ている。


「いやあ・・・。」


叫び終えたアリスはショックで気を失って倒れてしまった。


「アンハッピネス、お姉ちゃんと一緒に来るというなら、その悪魔を返してあげましょう。」


姉のハッピーちゃんは、アンハッピネスちゃんと傲慢のルシファーを交換するという。


「嫌です。お姉ちゃんの元には行きません。」


不幸の女神アンハッピネスは人質交換を断る。


「それでいいのです。ルシファーなんかいりません。」


憤怒のサタンも人質交換には反対である。


「異議なし!」

「傲慢な奴なんて要りません!」


悪魔たちは傲慢のルシファーを要らないというのだった。


「なんて冷たい連中だ!?」


天使たちは悪魔の冷たさに寒気を感じる。


「もしも、この悪魔を返してほしければ、取り返しに天界までいらっしゃい!」


そう言い残すと幸福の女神のハッピーちゃんと天使親衛隊は帰って行った。


つづく。

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