世界より、英雄たちへ

作者 七つ目の子

35

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★★★ Excellent!!!

すいません、一度誤送信しました。

本分
 この物語は終わりに収束する物語という言葉が非常に似合う作品でした。
 魔法やファンタジー方面の設定は実にオーソドックス、シンプルな設定でしたが、そこが本筋と言うわけではなく、変に尖っていなかったからこそ、この物語の深みが出ように感じます。
 
 基本的にネタバレレビューは避ける方針なのですが、タグの方に結末が簡易的に明記されているので、それをふまえた上での感想です。
 この作品は物語上の『1824(2人の出会いの時点、残り1821日)』後に死ぬという設定の中で、後に2人の英雄と語られるサニィとレインが、まるで新婚夫婦、あるいは付き合いたてのカップルのようなやり取りをしながら、死への過程で何を残すかということを主題とした、非常に胸に来るお話だったと自分は感じます。
 また演出として、物語上で一日ずつ経過するのですが、その数字が煩わしいということもなく、徐々に時間が減っていくのだなと読み手側に伝わりやすく、いい味を出していました。
 
 
 時にリア充爆発しろ、と言いたくもなる2人のやり取りはとても微笑ましく――いえ、最後には爆発してしまうのですが、死までの日々を過ごし、2人なりに出した結論でもあり、決してハッピーエンドとは言えませんでしたが、それでも生きた証を残せた、そんな読後感があります。

 そしてこれは作者様へですが、このだけ長い話数を描き書き続けられるのは、作品登場人物への深い思い入れが強いからこそだと、自分には伝わりました。やはり登場キャラクターを大事にする人のお話は好きです、今後とも応援しています。
 
 余談さておき、死に帰結する物語――そんなお話の中でどう生きた証明残し、後の世に続く者に託すのか、2人の旅の結末を見届けてください。