第701話 ボロボロの生還者
―――――――――――――――プライベートホーム
それからムクロはユリハ達にハシャが戦ったシジマの戦法やスタイルについて語ると・・・やはりと言うべきか良い表情はしておらず。
むしろ辛そうなな表情を浮かべ、どうしてそんな戦い方ができるのかとレイたちに確認するかのようにキョロキョロと眺めると。
目が合ったレイは少し考えて口を開いた。
「私はこの世界で作られ動いている仮の命でありご主人様方のように柔軟な答えが出せる訳ではございませんが。
きっとそのシジマというプレイヤーはどれだけ低俗で外道な方法を使ってでもハシャを倒したかったのだと思います。
ギルドがバックについていたからと言うのは大きな意味を持たず・・・ご主人様のように答えるのであれば。
―――――――――――――ただ、勝ちたかったと言うべきでしょうか。」
「ただ、勝ちたかったか・・・そうだな。
その言葉がしっくりくるような戦い方だったと思う。
自分は安全圏内で維持しつつ作り出した傀儡に攻撃をさせていい所だと勝てると判断して行動した・・・・が、結果的にはもう一歩先を行くハシャに返り討ちになったわけだけど。」
「でも・・・仲間を自身のスキルのためとはいえ使い方が酷いよ・・・
勝ちにこだわるのはいいことだけど、こんなやり方は私は嫌だよ。
それに・・・勝ちたいのならもっと他のやり方があったと思うの。
戦略もそうだけれど数を扱えるのだからそれ相応の・・・・」
ユリハが語り出したところでレイは首を振った言葉を遮りその方法ができていないからこそ現在の結果があると言い切るとユリハはスカートをぎゅっと掴み悔しそうな顔を見せつつも紅茶を口に含みムクロも天井を見上げながら勝利に貪欲でありつつも勝てなかったシジマの無念さを思い出しながら目を閉じると。
玄関先から賑やかな声が聞こえてきた。
「あうぅうぅぅ~~~もうだめぇぇ~~誰かぁ~~救助して~~へるぷみ~~」
「あともう少しだけ力を振り絞るんだ。
クーリアは無事にエリの試験をクリアしたのだから胸を張って戻らないとムクロに合わせる顔がないというものだ。」
「そうよ、それにまだまだ入門を叩いた程度で上級層に向かうまでにまた初級層のルートを歩まないといけないのだからキッチリカッチリやることを覚えて動かないといけないわよ。」
「にしても・・・レイドボスの希少種と連戦はやっぱり大変ね。
特にあの虹色のドラゴンとか弾があんまり通用しなかったからもう少し考えないといけないわね。
それに・・・課題の戦闘中に弾を作るも何とか実践可能な範囲にまでできたからエリには感謝しないといけないわ。
ここまで来られたのもエリのおかげよ・・・その、ありがと。」
「いいから玄関の前でべらべら話さないでよ・・・私も早くベッドに寝転がりたいからさっさとルームに入ってよね。
だけど本当に疲れて大変だった・・・もう生意気に威張る気力もなくなるくらいに必死に駆け回って戦って戦った回避してと大変だったぁ・・・・」
玄関の方からクーリアたちの声が聞こえたかと思えば、炎に焼かれたり傷まみれになったりとしたのか体中に傷跡を残したクーリアたちが入って来ると否や。
ムクロに気が付くことなくソファーに持たれ込む者が続出し、かろうじてミストたちはムクロに気が付き挨拶をすると・・・・・
「ん?ムクロッち??んなのどこに・・・・えっと・・・・あれれ??
どうしてそんなとこに・・・み、みないで!!!ボロボロになった私たちを見ないで!!!」
「ひゃわッ!?こんなダラダラした姿は親にも見せた事なかったのに!!!
もういるならいるってちゃんと連絡してよ!!!ムクロのバカッ!!!」
「あはは・・・俺が見えないくらいに疲れていたって事か。
これだけエリのしごきに耐えたという事ならクリアを目指す上で問題はなさそうだな。」
ムクロは教育に疲れたからと言ってスッと移動していくエリエントに告げると、エリは当たり前のことを少し厳しくおさらいしただけのことだと語り部屋に消えると。
エリエントは部屋に入った途端に疲れがエリエントを襲いふらつき・・・椅子に腰を深く埋もれさせて休むのであった。
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