第672話 黒い天使舞うグロリア
―――――――――――――――キャンプ場
昼食が始まり耀子はガツガツと食べ進める中、涼孤は少しずつ食べながら悠一に味はどうだとか気分は悪くないかといつも以上に心配しており。
それを見ていたコトハたちは悠一は目の前にいて異常があればすぐにわかるからと止めさせ。
話を変えようと彩花はブロッサムのメールに入って来ていたグロリアの情報について呟き始めた。
「ねぇ、昨日くらいにメールで情報が届いてたのだけれど。
グロリアに謎のNPCアバターが現れプレイヤーを襲撃しているって言う内容が書いてあって。
これってレイの探してるあのアバターじゃないかしら??
今のこの状況だと探しに行けないから何とも言えないけれど情報によると羽の生えた黒い天使のようだったとか・・・・」
「俺たち以外にも接触を仕掛けているという事は何かグロリアの方であったのかもしれないな。
戻ったら少し探りを入れて見るか・・・」
「だね、レイちゃんが1人で無茶な事をしてないといいんだけれど・・・・」
「私をお呼びですか??
コレは失礼、ご主人様のブロッサムに住まうレイヴァテインここに推参。
いえ今はそんなにもふざけているような場面ではございません。」
「急に声がしたかと思えばやっぱりレイか・・・・んでどうしたのさ??
悠一のブロッサムから声だけ聞こえるけど何がどういう場面なのさ。」
急に声が聞こえたかと思えばそれはレイの声で何やらすぐに話がしたい様子でありレイに現れたワケを問うとそれは先ほど話していたNPCの黒い天使アバターの話であった。
「先ほど話しに出ていた黒い天使・・・その複製品があちこちの他国サーバーや私たちの住まう日本サーバーで見られるようになり私と姉さん・・・ユキシロにファムは情報を集めながらその黒い天使を追っていた時の事です。
私たちは黒い天使たちの発生源ともいえる黒いホールを見つけそれを止めようとしたのですが・・・・そのホールから現れた複数の黒い天使のサーチに引っかかったのでしょう。
察しの通り黒い天使に見つかり私たちは戦闘を控え逃げるようにして戻ったのですがそれからの事で始まりの都に限らずタウン全土に堂々と姿を見せるようになってしまい現状の報告を差し上げたのです。」
「つまりレイにユキシロたちがどのタウンにいるのかまでは分かっていないけれどしらみつぶしに嗅ぎ回っているって言う事ね。
それと気になるのだけれどその黒い天使は攻撃を先に仕掛けるようなそぶりはあるのかしら??
先に手を出すようなら街にはいられないと思うのだけれど・・・・」
「そうね、街での戦闘はPVPエリアかPVPの申請を出し合い許可した場合のみ許される行為だからそう言った手間を省いた戦闘は軒並み街への進入禁止を受けるはずだから・・・・そう言う事なのね。
理解したわ、その黒い天使はPVPを仕掛けるのではなくて連れ去り群れで襲うと言ったところかしら?」
「まるで街に入れるようになったモブじゃん・・・・そんな滅茶苦茶な奴らを女神がGMが許すはずないじゃん。
だからそれをまとめてさ?GMに流せば・・・・」
「きっとそれもできないから今の状況になっているのよ。
できるのならとっくにそう言う手を打っているはず・・・それができないという事は何者かの手によって通信を妨害されているかGMに危険が迫っているという事でしょ。
もう・・・楽しいキャンプだったのに聞くんじゃなかったって言う情報だよ・・・」
アイリスはため息をこぼしながら呟くと再びレイが話しの続きをすると言って入り。
違うところと合っているところを語り出した。
「ご主人様方の言葉の中に色々と当たっている部分や外れている部分がございますので訂正します。
まず・・・GMは今このグロリアに不在という状況でございます。
それも何やら世界規模で行われるグロリアの世界サーバーを扱うGM同士が集まり会議を開くことになったという事で日本サーバー以外にも他の世界サーバーを扱うGMも同時に席にいない状況。
これを狙われたケースは十分に考えられます。
そして当たっていることは黒い天使が攻撃対象だと認定したプレイヤーを襲いキルをしている状況を見ました。
私たちも助けには向かいたかったのですが手を出せばこちらもやられかねないという事で見ている事しかできませんでした。
ですが貴重な情報が手に入り・・・その天使たちにキルをされたとしても人体には悪影響が及んでいない事からイベントの伏線だと勘違いしている様子でプレイヤーの方々はどうにかして黒い天使を攻略しようとお考えでありました。
それらの事から現在のグロリアは異常な状況ですがイベントではないかという力によって何とか平穏ではあります。
ただ、そのうち黒い天使が何かをしでかす可能性はありますのでそれをお伝えしておきます。
特段私やユキシロたちが参加できないリアルのモノ達がキャッキャウフフするリアジュウと言われるイベントに参加できないからでっち上げたとかそう言う話ではございませんので真剣に考えてくださいませ。
では私は2匹の昼食を作らなければなので失礼いたします。
あと・・・ご主人様もあまりご無理をなされないよう・・・・」
レイはいうだけの事を言って消えると、悠一たちはグロリアがどうなっているのかがすごく気にはなったがこのキャンプが終わるまではキャンプを楽しみ過ごそうと言うと再びオムライスに口を付けるのであった。
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