第666話 アスレチック迷路の攻略

―――――――――――――――キャンプ場



 ジェンガを順序通りに引き抜き差し込み口に差し込んでいく中でとうとう最後の1本となったところで問題が発生したと彩花は呟き。

その言葉の意味を涼孤が問うと、どうやら最後の最後で抜き取るジェンガの指定がないと口に出すと涼孤は辺りの壁に何かヒントはないかと探すが何も手掛かりやヒントのようなものは存在せず時間が少しずつ流れていくと・・・・




「ここまで来たのだからきっと何とかなる。

だから彩花さんの好きなジェンガを投げ渡してくれないか??

その結果に私は文句も言わないしまたやり直せばいいだけだから。

だから彩花さんの選んだジャンがで勝負したい。」

「そんな滅茶苦茶な・・・まるで悠一のような言い方だけれどもしかして涼孤さんの口調が悠一に移ったのかしら??

ううん、今はそんな事は関係ないわね・・・時間も流れていくだけなのも好かないしわかった。

涼孤さんがそう言うのなら私はこのジェンガにするわ・・・さぁコレで勝負よ!!」

彩花は黒い色をしたジェンガを引き抜き涼孤に投げ渡すと、涼孤は最後の差込口へジェンガを突き刺した。



すると、その彩花の投げたジェンガが正しかったのか差し込んだジェンガが全て抜け落ちると同時に扉が開き最後の完走ルートが現れたのであった。




「よかった・・・彩花さんが選んだジェンガが勝利を導いた。

彩花さんお疲れ様、後は道なりに進むだけでゴールできるはずだからゆっくり行こう。」

「いいえ、ここまで来たのだから最後までダッシュで行かないといけないわよ。

それが競争であって勝負なのならなおさらよ。

私たちはライバルでもあるのだからね・・・だから用意はイイかしら??」

彩花は走る様に涼孤に語るが涼孤は走る気はないらしく答え彩花の合図と共にゆっくりと歩き始めると彩花は途中までダッシュで駆け出すも1人で走ってばかばかしいと言って戻ってきた。




「本当にこういう所まで姉弟そろって同じなのね。

まるで私だけが戦いを意識してるみたいで格好悪いじゃない。

やめよやめ、こんな不毛なことに体力何て使う必要なんてどこにもないのだから私も歩いて行くことにするわ。

だから一緒に行ってもいいかしら??」

「あぁもちろんだ。

それにこの行動は私の意志というよりも悠一に気付かされた一面だ。

勝ち負けよりもこだわりたいことにこだわる悠一のやり方をただまねただけだ。

こう言う戦いは勝てばいいとは言うが私は悠一と同じようにそうではないとも思うんだ・・だから私は歩いて行こうとしたただそれだけなんだ。

それでも良ければ共に歩いて行こう。」

涼孤の言い放った言葉には悠一が語ったかのような残りがあり、彩花はその言葉に色々と自分は駄目な所が多いという事やこだわる勝利の方法というものも考えてみるのもいいのではないかと感じつつ涼孤と共に歩いてゴールへと向かっていくのであった。



そして断崖絶壁で苦しむ悠一は何とか登り切り息を切らして倒れ込んでいると近くに足音が聞こえ・・・聞こえた方へ顔を向けるとそこには由里がくたびれた顔をして別のルートから同じような方法でやって来たのか悠一と同じように倒れ込んでしまっていた。



「そこにいるのは由里か??奇遇だな・・・俺もついさっきその崖というか壁を登ってきたところなんだ・・・・ハァハァ・・・こんなにも辛いアスレチックがあるんだな・・・」

「あはは・・・それは言えてるね・・・私も悠一君と同じような感じかな??

その柔らかい壁を腕と小さなくぼみだけで登ってここまで来たのだけれど足とか腕がすごく辛いよ・・・・でも大丈夫だから悠一君はこのまま1人で先にゴールへ向かって大丈夫だから。

私も少し休んだらすぐに後を追って・・・・え、えぇぇえぇぇ!?悠一君大丈夫なの!?」

由里はすごく疲れたといった表情を浮かべる中で悠一は何とか体が動くようになったと感じるとすぐに立ち上がり由里をお姫様抱っこのようにして抱えると由里は恥ずかしい声と共に驚きの声を漏らした。




「えっと悠一君もう平気だから!!だから降ろしていいよ!」

「そんな事言ってまだ疲れているんだろ??だったらこうやって休みながら移動する方が効率がいいだろうし俺もやっと由里に何かしてやれたと感じれてさ嬉しいと言うか誇らしいというか・・・・

まぁそんなとこだから気にしなくていい。

それとも俺に抱えられてるのが嫌なら別だが。」

悠一の最後の言葉に由里は変じゃないし嫌でもないと言って伝えると悠一はそれならと言って再び歩みだし・・・時間はかかったモノの何とかリタイアせずにゴールへとたどり着いたのだが・・・・




「ほぅ、悠一・・・由里とどうしてそんなにもベッタリとしてここまで来たんだ??

本来ならば由里とて敵として扱うものではないのか??それとも道中で何かがあったのか??」

「え、えっと・・・ちょっと俺と由里は難関が割と肉体的にも精神的にもハードなもので互いに検討してこういう風な流れになっただけだが・・・」

「そ、そうなの!!悠一君もう大丈夫だから!!平気だよ!!うん!!

あと・・・助けてくれてありがと・・・」

「コレは何かあったとみて間違いなさそうね。

どう思う??コトハ??」

「フフフ・・・それはもちろん・・・ギルティじゃないかしら??ねぇ??」

コトハも現れた事もあって状況から察するに由里と悠一はどうやらアスレチック迷路の順位は最下位となり残念だったといいながら由里を下ろした瞬間。

涼孤とコトハに悠一は連れていかれ本当になにもなかったのかと2人に尋問されていた。

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