第653話 水切り大会

―――――――――――――――キャンプ場



 その場にいた全員が水切りで悠一を倒すという名目で参加し、悠一はそこまで自身があるわけでもないと口に出すが彩花や耀子は妙なマネをすればキツイバツゲームを受けてもらうと言うと、悠一はこの戦いは手を抜くことも許されないと妙なプレッシャーがかかり緊張した顔をするとその顔色の豹変に気が付きアイリスが近づいてきた。




「えっと・・・2人は盛り上げるようにするために言ってるだけだと思うからそんなに思いつめなくてもいいんじゃないかな??

悠一は涼孤さんから教えてもらってて経験者ならきっと問題ないでしょ?」

「それはそうだが・・・この流れから行くと勝負に負けたとしても何かがありそうで怖いというかだな・・・アハハ。」

「そうね彩花さんはともかく耀子は途中から罰ゲームを入れることに関しては天才的にいららしく擦りこませるから気を付けないとって・・・もう手遅れの酔うよ。」

「うぇっひっひ・・・そう!!!その通りだよコトハ!!!

もう参加したみんなは途中離脱も許さないからね!!

そしてここで!!!悠一だけが負けた場合の話なんだけど・・・もしも悠一よりも水切りができた人には・・・「悠一と少しだけ一緒にいられる」チケットを贈呈だよん!!!」

「な、なななな!?なにぃぃぃい!?悠一と一緒に・・・だと・・・コレは本来の力を取りもどなければなるまいな。

優勝せずとも悠一に勝つことを意識した真の戦いなのならばある意味手ぬるい水切りではマナー違反だろうし悠一も本気でかかって来るがいい!!!」

「え、えぇぇえぇぇぇ!?悠一君!?そんなチケットいつ発券したのよ!?

それにそのチケットがもしも他の・・・耀子たちの手に渡っちゃったら・・・・

ダメ・・・ここは絶対に何としてでも死守しないと・・・・」

耀子の悪い笑みとは裏腹に由里達は独り言をつぶやきながら自分の世界に入ってしまい。

悠一はまた面倒なことをと頭をかきながら耀子を見つめるとついに本番開始と言って耀子はまず悠一を川へ呼び出し水切りの準備に入るよう指示した。




「こう言う流れの司会は耀子が一番だとは思うけど・・・妙なチケットを発券するのはどうかと思うんだが??

まぁみんなをここまでやる気にさせといて商品はありませんなんて言えないし・・・今回だけだからな??」

「うんうん物分かりの良い悠一はモテモテでカッコイィ!!!そんじゃまぁ悠一は準備が出来たら私に声をかけて投げてね~ん。」

耀子の悪びれることのない発言に悠一はモヤモヤとしながら水切りをすると涼孤たちもその水切りを見ており・・・数え終わり一番多く出た数字で計算が行われその水切りの数は17回と本人も納得する数字であったが振り返ると・・・・




「悠一ってば私たちに勝たせる気あるの!?こんなの無理に決まってんじゃん!!!

私なんて《《奇跡)》が起きて4回くらいがいいくらいなんだよ!?

こんなんじゃチケット何て夢のまた夢じゃん・・・・」

「えぇっと・・・姉さんが本気でって言ったから・・・俺が悪いわけじゃ・・・」

「いいや悠一が悪い。

男の子の力を侮っていた・・・前までは数回の悠一が今では私を遥かに超えるレベルに・・・コレはお姉ちゃんとしての威厳が・・・だが壁は高ければ高いほどいいという。

だったら・・・私はこの悠一の記録を超えお姉ちゃんの偉大さを見せつけてやろう!!」

「わ、私だって悠一君の記録に勝てるように投げてあげるよ!!!

ちょっとだけ不安だけど・・・・ん?アイリスどうしたの??」

「え?ううん・・・ちょっとびっくりしちゃって・・・

水切りって本気でするとあんなにすごい跳ねるんだね。

私なんて1回でちょぼんなのに・・・出ない方がよかったかな??」

「それは違うわよアイリス。

こう言うのは相手がどうとか自分がどうとかじゃないわよ。

グロリアでもそうだったじゃない、どれだけ状況が悪くても今を必死にしてれば何かきっと変わるはずよ。

だから最後の最後まで自分を信じて投げなさい。

私も悠一の腕を舐めてたからちょっと不安だけど悠一が全力なら私も全力で投げるだけよ。

―――――――――――だから次は私の番でいいかしら??」

彩花はアイリスを励ましつつも耀子に順番が決まっていないのならと自分から先に出ることを語ると耀子は力が抜け落ちてしまったのか適当に指示し。

彩花は全力で投げ込み・・・・・



「おぉ、コレは中々の水切り・・・でも少し足りないか。

―――――――――――――彩花の水切りは13のように見えたのだが。」

「うん、私も13回だと思う。」

「そう・・・ん~~あぁ~負けた負けた。

悠一にあれだけ言っておいて負けるなんて恥ずかしいわね、けど全力を出したのだから悔いはあまりないわ。

今度は負けないから覚悟しておきなさいよ??」

彩花の回数は13回とあまり納得できない数値であったが全力を出して今の回数ならばと飲み込み・・・次は誰が投げるかと言う話になり・・・・




「それじゃ今度は私がやってあげようかしら。

ここは運動能力というよりも知識力で行こうと思うの。

だから・・・この角度からこう投げると物理的によく水を切るはずだから・・・・・ここよッ!!!!」

「あぁ~~~4回ね・・・はい次ぃ~~」

「それじゃ次は私が投げてみようかな。

コトハちゃん・・・えっと順番交代なんだけど・・・・ん~あはは。」

由里の順番が来ようともコトハはその場から立ち去れずそれを黙って近づいた彩花に優しく声をかけられながら移動すると由里は勢い良く投げ水切りは10回と惜しくも散るのであった。

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