第639話 ヘッジホッグの弱点と突破口
―――――――――――――――古代の遺跡後地:ボスフロア
ファムのスキルとヘッジホッグの落下攻撃が重なると・・・見た目ほど大きな衝撃は出ないだろうと感じていたユリハ達であったが実際に起こると想定以上の衝撃が発生しておりヘッジホッグとファムの一撃の強烈さがうかがわれ。
ミストはその衝撃が体を突き抜けようとも立ち止まっている事などせずユキシロたちを連れてヘッジホッグの方へと向かうのであった。
「ぬぅ・・・すごい衝撃じゃったのじゃ。
ファムは無事じゃろうか・・・あれだけすごい衝撃だとすると互いに無傷のはずがないのじゃ。
ファムよ・・・無事に耐えていてくれればよいのじゃが・・・」
「そんなわからない結果にウダウダ言うよりも直接目で確かめたらどうなのよ。
いつものユキシロの行動力はどこに行ったのかしら?
ミストもそろそろ状況を知りたいわよね?だったらユキシロにファムの捜索と同時に救出を任せて私たちは戦闘に出るって言うのはどうかしら??
別にユキシロに心配をしてるわけじゃないわよ!?ただ・・・気になるのならいつものように行動した方が私たちらしいって言うか・・・
ムクロだとそう言うんじゃないかしらって思っただけで・・・・・」
「フフ、そうだな・・・ユキシロもこう見えてかなり心配しているようだから私たちの事は構わずファムを助け出して来てくれないか??
機動力と鼻に腕の立つモノと言えばユキシロしかいないのだからな。」
「ユキシロはどうしたい??助けに行きたいのならきっとその今するべきことが胸にあるのならムクロ君の言葉を借りるとしたいこととやるべきことは嘘をつかずに行動した方がいいよ。
なんてね・・・私が大きく言える言葉じゃないけどユキシロはユキシロのやりたいようにした方がいいよって事だから・・・・うん。」
ユリハ達の言葉を聞いたユキシロは顔をいつもより真剣な表情に変え必ずファムを見つけ出し合流すると言って全速力で駆け出すと。
グルンと態勢を戻し始めたサウザンドヘッジホッグにユリハ達は時間を稼ぐと同時に弱点を見つけるために移動した。
「ギギャァァァァァアァァァ!!!!」
「これがサウザンドヘッジホッグ・・・すごい圧だ。
ここのフィールド一体の中ボスがいなくなったことを察したのか怒りでいっぱいのようだがそれはそれで好都合だ。
コレで攻撃は荒くなりスキを見つけやすくなるというものだが・・・・
こちらの数の少なさは否めないがそこは技量でカバーといこうか。」
「えぇ、私もファムを助けに出させた1人だし少しくらいはやり返してやらないと気が済まないわ。
――――――だけど私たちよりも先にユリハはヘッジホッグに飛び出しているわよ。」
「テヤァアァァァァァアアァァァァッ!!!!!!
―――――――――――
ミストたちよりも先に飛び出し攻撃を仕掛けていたのはヘッジホッグでもなくユリハでありそのスキルはヘッジホッグの柔らかい内側でなく外側の棘に対して放たれており。
その攻撃は金属にこすれるような鈍い音を響かせ数本の棘を切り落としていた。
「ギギャァアァァァアアァァス!!!!!」
「はぁはぁはぁはぁ・・・くっ・・・・これだけ撃っても数本程度しか破壊できないなんて相当な硬さだね。
だけど反応速度はそこまで高くないのならこのまま押し込んじゃうよ!!!」
「ユリハが先に飛び出したし私たちも応援しに行かないといけないわね。
それにしてもユキシロにあれだけ言っておきながらユリハ自身も相当感情的になってるのが目に見えてるけど大丈夫かしら??
かなり息のあがった様子だけど・・・・」
「大丈夫だユリハは私よりも陰で努力をしてきた努力家だからな。
一時の感情で暴走したとしてもその脳には今でもムクロから言われユキシロに語った言葉があるだけで随分と違うものだ。
よく見てるといい・・・アレがやるべき事を捉えたユリハの姿だ。」
ミストたちがユリハに近づくとヘッジホッグは攻撃に切り替えユリハに向けてスピン攻撃を仕掛けたが・・・・ユリハは軽やかな身のこなしだけで攻撃を掻い潜り回避して見せると今度は内側を叩くべく高くジャンプし内側に痛烈な一撃を叩き込んだ。
「ハァアァァァァアァァァッ!!!!テイヤッ!!!!!」
「グギギャァアァァァァァアァァ!!!?!!」
「どうやら情報通り内側に対しては相当なダメージが出るようだがヘッジホッグのスキルが気になるな。
あの体の棘は武器であり防御を兼ね備え内側の脆さを勘定に入れて計算すると相当な効力を秘めていることが考えられる。
だからそれをフルに使用した攻撃が来る前にどうにかしないといけないぞ。」
「だったら私たちも攻撃しなくちゃいけないわねッ!!!!
――――――――――捉えたわよ!!!スティールスラッシュ!!!!!」
ユリハの攻撃によって動きが遅くなったヘッジホッグに対し、ヴァニスが背の棘にスキルを発動したがビクともせずミストの攻撃もほぼ効果なしといった堅さに移動を余儀なくされ。
ユリハと合流するとサウザンドヘッジホッグはユリハに内側を攻撃されたダメージとさらなる怒りによってバーサク状態へと変貌しさらには赤黒いオーラを纏ってスキルの発動まで行っていた。
「くッ・・・何だろこの感じ・・・・ミストにヴァニスちゃん!!
少し離れた方がいいかもしれないよ!!!」
「えぇ!?どうしてよ??今ならバーサク状態でさらに攻撃は雑になって戦いやすくなるんじゃないの??
そりゃ攻撃を喰らうとヤバイけどムクロなら攻めるんじゃないの??」
「いやここはユリハの勘を信じて下がろう。
バーサク状態になったとしてもすぐに襲わずスキルを使って点を考えると不気味だ。
だから何もなければそれはそれでと考えてヤツのスキルには注意が必須だ。
元々の素性がわからない戦い方がそれを醸し出しているんだ。」
ミストはモヤモヤするヴァニスを連れてユリハのいる方まで戻るとサウザンドヘッジホッグは目をギラッと光らせスキルを発動した。
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