第590話 ロマンを求めて隠密を
――――――――――――――プライベートホーム
そこには女将が出迎えるようにして待っておりムクロたちに近づいてきていたがその前にクーリアが割って入り何やらごにょごにょと話し出し・・・・
クーリアは気にせずムクロたちは先にバフのかかる露天風呂に行くよう勧めムクロたちは不思議そうにクーリアを見ながら旅館内に入って行った。
「ここも変わりないな。
それじゃ・・・クーリアに言われた通り各自バラけて温泉を楽しむとしよう。
俺はこっちだからまた後で。」
「うん、あとムクロ君??言っておくけど・・・覗きはダメだからね??」
「一応念を押して言っておくことに意味がある。
だから言っていた・・・この約束を破らない限りは問題やトラブルは発生しないからそこまで気を遣う事はない。
だから互いにバフをかけてこれからのクエストの事でも考えるとしようじゃないか。」
「そうですね、ご主人様に限って覗きの趣味も女性アバターの裸も興味がなさそうですし・・・我々には無害だと断言できます。
ですがもしも色々とありましたら決して無理をせずこのレイに全てをお任せください。」
「レイレイ何を言っておるのじゃ??早くお風呂に入るのじゃ!!」
「それじゃまた後でね。
ヴァニス??女湯はこっちだよ??」
「え、あぁ・・・うん・・・知っているのだけれど私・・・こうやって皆でお風呂に入るなんて初めてで・・・大丈夫なの??見えちゃいけないモノとかあるんじゃない??健全よね??」
ヴァニスは入ったことが無いために何がこの先に待ち受けているのか想像できておらず。
ムクロはヴァニスに肩の力を抜くように言ってある程度の説明をするとヴァニスはムクロの言葉を聞き入れてファムたちと女湯の方へ消えていきムクロも男湯に入り露天風呂へと向かった。
「ふぅ~~やっぱりここの湯は体によく効くな。
実際に入っているような水の感じも他の湯とは比べ物にならないし・・・バフもかかるとなると秘境にある幻の銭湯と呼ばれるのも不思議じゃない。
それにしても気持ちいいぜ・・・・」
「ん?そのヒョロそうな声はもしかしてムクロか??
お?やっぱりムクロだったか!!よぉこんなところで合うなんて奇遇だな。
俺たちは何か切っても切れない縁というもので繋がってるのかもしれねぇな!!!ガッハッハッハッハ!!!」
1人で湯につかっていたところを誰かに呼ばれたと思い睨みつけるとそこには毛をビショビショにさせたライザーの姿があり他にも数人のライザーギルドのメンバーもおり女湯の方では副団長と話しているのかユリハたちと話す声が聞こえていた。
「で、ムクロはどうしてこの秘湯に来たんだ??
やっぱり特別なバフ効果を付けに来たのか??
いや、そんな事よりもだ・・・・今俺たちのメンバーの美人たちがあっちの壁の向こうで入浴ってるんだがよぉ・・・少しムクロに手を貸してほしいんだが・・・・」
「断る・・・どうせロクな事じゃないだろ?
それにライザーの過ちに俺が加担する理由もないだろ??」
「ムクロさんそれは違いますよ!!!
ライザーさんは男のロマンである女湯を覗くと言う大きな偉業に誘ってるんですよ??
よく考えてみてくださいよ・・・あの壁の向こう側には今まで分厚い装甲や柔肌を包む薄い生地に護られた真の美の結晶体があるんです。
その美を見ずして我々男性は何を宝石だとかレアアイテムだとかイベントだとか言えましょうか!!!
そうです!!!この壁の向こう側にこそ真のイベントであり大いなる宝石がレアアイテムことレジェンダリーな美女たちの裸があるのですよ!!!」
「こいつこんなにしゃべるキャラだっけ??」
「言わせておいてやれ・・・・時々しか喋る機会がないんだ。
こういう時に発散させておいてやらねぇとな。」
熱の入り用がプレイヤーによりさまざまであったがその場にいらライザーギルド全員は罪を犯す気満々とした表情をしており。
ライザーも熱く語る同士と見込んでムクロに頼んでいると言い出し・・・ムクロは覗く気はないが手を貸してやると言うとライザー達は急にムクロを囲んで円陣を組み作戦プランを詳しく説明し始めた。
「で、この作戦には色々と障害が沢山ある・・・まずはそこにある電撃発生装置だ。
あれは俺のギルドで何とかするからいいんだが・・・次に壁の向こうをどうやって覗くかが大きなポイントだ。
そこでムクロの力を貸してもらいたい・・・・」
「俺の力??俺はそんな軽犯罪を行うスキルとか技量はないんだが・・・」
「いえいえムクロさんは確かにそう言ったスキルをお持ちですよ!!!
そう・・・・他のプレイヤーから感知できなくさせるほどの気配を遮断する能力・・・・隠密です!!!」
ギルドメンバーの説明にムクロは考え・・・人数的に数名なら数十秒は問題なく隠密は機能するがそれはこの露天風呂でも同じように機能するかまでは保証できないと伝えるがライザー達はそれでもダメもとでスキルをかけて欲しいと強く訴えムクロはどうなっても知らないといいつつスキルをかけるタイミングをライザーに求めた。
「それでこそ俺たちが見込んだムクロだぜ!!
おい、お前達はすぐにその電撃網のリミットを解除してくれ。
俺たちの計算が正しければこの電撃網は解除してから1分は再構成に時間が生じるから解除したと同時に俺たちを一斉に隠密状態にしてくれ。」
「ライザーの行為に俺は責任は持てないから自分で尻を拭いてくれよ。
それじゃ・・・・タイミングを待つから手早くしろよ。」
「さっすがムクロさん話が分かってるぅ!!!
そんじゃ電撃網をシャットダウンまで・・・3、2、1・・・・今だぜ!!」
プレイヤー達が一斉に電撃網の発生装置に強い電撃を与えると装置がショートし電撃網が消え失せるとムクロは整列したプレイヤー達に隠密をかけるとライザー達は女湯の壁によじ登り顔を出した途端・・・
「んぐえぇ!?ぐぉぉぉおぉお・・・イだだだだだ!!!
タンマ!!!タンマタンマタンマ!!!俺はまだ何にも見ちゃいねぇ!!!何でだ!?なんで副団長は俺を見つけていやがるんだよ!?」
「ライザー団長・・・あなたの犠牲は無駄にはしな・・・・げばふぁッ!!!!」
ライザーは副団長に片手で顔を掴まれてもがく間に他のギルドメンバーはライザーとは違う方から女湯を覗くと次々に石鹸やらお風呂場にある者で迎撃されて吹き飛ばされていた。
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