第525話 猛勉強の末・・・

――――――――――――――自宅:勉強会中



 このままではテストが終わった後に悲惨な結果があるのではないかと感じた悠一の口から告げられたことは1つであった。

それは、テストが終わるまでの間はグロリアにログインしてはいけないと言う内容に由里達はともかく・・・やはりと言うべきか耀子は黙っておられずに反論を仕掛けた。



「それは駄目だぜ悠一ィ~私、こう見えて毎日数時間はグロリアに繋がってないと駄目になるな人間なんだよね~

だからその提案はヤメにしない??ねぇ??」

「本当に可哀想ね。

だったらテストが終わってからのキャンプも参加できないわね。」

「そうだな・・・キャンプ地だとグロリアに接続できるかもわからないからな。

そのままキャンプ地で暴れられても困るし他の人に迷惑をかける訳にもいかないからな。」

「うん・・・それじゃ耀子はになっちゃうのかな??」

話の流れから耀子はキャンプには参加できないのでは?という雰囲気が漂う中。

耀子は慌ててキャンプにはグロリアにログインできなくても参加すると言って表明しつつもテスト期間中のログインができないのは辛いとシュンとして呟くが。

悠一たちにこれもテストでいい点を取って楽しい夏休みを満喫するための事だとやんわりと告げられると・・・納得ができないまま耀子はその提案に巻き込まれ。

再び勉強に集中し始め――――――――――



「ふあぁぁぁ~~~やっと宿題完了したぁ~~~本当にテスト前に宿題出すとか何考えてんのさ・・・・このままじゃゴハンを食べるまでにちょっとしか勉強できないじゃん。

「うん、だけど中盤から自分の力だけで解けてたから後は復習さえすれば大丈夫だと思うよ?

それに・・・グロリアでもあれだけ色々覚えられるんだから頑張ったらできるんじゃないかな??」

「そうね、あれだけの情報を脳内に保管しているのだから物覚えが悪いのも逆に納得しちゃうわね。

けれど・・・その脳もまだギリギリ空きはあるようだし使い方次第じゃないかしら?」

「覚えることが多いのは確かだがテストの範囲もそこまで広いわけじゃないからグロリアをしている時間を削って問題を解いて身に付ければテストは簡単だろ?

それに・・・耀子がいないとキャンプがちょっと寂しくなりそうだからな。

だからテストを何としてでもクリアしないとな。」

「悠一、それは私も含まれているのか??

私もいなければ・・・その・・・・寂しいと感じてもらえるのか??」

涼孤は悠一の言葉から質問を投げかけると、悠一は誰がかけても嫌だと告げると。

由里やコトハは今回のテストは絶対に落とせないと意気込み・・・耀子をそっちのけで勉強に取り組みだし。

耀子はやっと本題のテストの復習に入り時計が進み―――――――――



「よし、こんなものかな・・・明日からのテストも大体が予習できたし。

終わり次第にまたちょくちょく勉強を挟めば俺は大丈夫そうだが。

耀子は倒れてるが・・・大丈夫なのか??」

「う、うん・・・・なんとかね・・・・お菓子を食べてジュースを飲んでいたとしても問題を考えてるだけでお腹が空いてさ・・・・ばたんきゅだよ。

そっちの2人はって・・・聞かなくても問題なさそうなくらい余裕な顔をしてんね。

――――――――――2人くらい余裕があればなぁ~~」

「余裕と言うよりも赤点なんて取るつもりは一切ないわよ。

―――――――――――――――狙うのは100点のみだから。」

「私も100点を狙って家に帰ってからも頑張らなくっちゃ!!

だけど耀子の言ってた通りお腹がペコペコだよ・・・えへへ。」

「よし、準備ができたからテーブルを空けてくれ。

悠一はスプーンの用意を頼む・・・由里達は客人なのだが水とサラダを持ってきてもらってもいいかな??」

由里とコトハは涼孤のサポートに入り、寝転がっていた耀子は食後の皿洗いの手伝いをする羽目になり・・・ブーブーと言いつつも了承し準備が整うと食事に移った。



「モグモグモグ・・・ん~~涼孤さんの作るカレーはほんとに美味しいね。

これを目指して私たちで手分けしてカレーを作るんだよね??

悠一はちゃんとできるのかなぁ??私が手とり足取り教えてあげよっか??」

「ケホッ・・・ちょっと待って!!!それは私が悠一君にするからだいじょ・・・・・」

「いいえ、コレは今後の悠一を心配する者なら誰しもが思う事。

だから由里だけには任せられないわね。

――――――――――涼孤さんもそうは思わないかしら??」

「全くその通りだ。

姉である私を差し置いて悠一に料理のイロハを教えるとは何事か。

これは教える順番等を決めて悠一に教えていく必要性がありそうだな。」

「いや、カレーなら作れると思うんだが・・・・・えっと・・・・この流れには逆らえないよなぁ・・・・」

悠一は目の前で行われている順番を決めるだとかカレーの味をどうするかと議論を聞きつつ食べ終えると。

他の連中もパクパクっと食べ終え・・・悠一と耀子は皿洗いを開始した。



「でさでさ??悠一は本当は誰に教えてもらいたいのさ??

私ィ?それとも本命の由里ィ??」

「こら、私と涼孤さんを外してそんな質問をしないの。

それと早く洗わないと帰れないでしょ??さっさと済ませてしまってよ。」

「あはは、そうだな・・・俺は誰にでもいいかな・・・

みんな俺より料理はできるしさ。

誰から教わっても上手くできそうだからな・・・・」

「悠一君・・・うん、そうだね。

誰が作ったとかじゃなくて私たちみんなで作るから美味しいんだよね。

一番大切な所を忘れてたよ。」

「そうだな・・・私たち全員の力を結集させて作るんだ。

美味しくないわけがない!!コレは本当に明日からのテストは本気で当たらないといけないな。」

明日から始まるテストの話をした途端、キャンプでのテンションが下がった耀子は憂鬱な気分になりながらも乗り越えた先には楽しさの溢れる夏休みだと腕を伸ばすと、皿を綺麗に拭いて並べていき。

皿洗いが完了し・・・由里達は家に帰ると言って家を出て行った。



「それじゃ悠ちゃんもお風呂に入っちゃいなさい。

その後に私は入って後始末をしておくから。

あと・・・明日からのテスト互いに頑張ろうね。」

「あぁ、けど・・・俺は頑張らないとダメだけどさ。

姉さんは学校内でも成績上位者だから心配とかないんじゃないか??」

悠一は風呂場に向かいながら涼孤に呟くと、涼孤は笑みを浮かべながら上位者でも気を抜けば質は下がるモノだとグロリア風に語り。

その言い方に悠一は涼孤の言葉に返事を返して入っていった―――――――

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