第524話 テスト前の勉強会

―――――――――――学校:昼休み



 パンケーキを食べ終えてから終日後の屋上に至るまでは平穏そのものだったのだが、グロリアとは違うとある話に変わった途端・・・耀子はギクリと何かを感じ顔を青ざめて震えだし悠一たちにとある願いを出した。



「自分たちの事で大変だとは思うんだけどさ・・・その、の勉強会でもしない!?

ほ、ほら・・・も1人で黙々とするよりかみんなで協力して苦手な問題を教え合う方がいいっしょ!!

だから・・・お願い!!私にどうかお力を・・・・・」

「俺は別に構わないが・・・テストは明日からだぞ??」

「予定では明日からだな。

私は悠一がいいのなら構わないけど・・・コトハさんはどう??」

「私はあんまり気乗りはしないわね。

きっと耀子は悠一や私たちを使って解き方をマスターするつもりだと思うから・・・良い様に使われるだけだと思うわ。」

「あはは・・・私でよかったら色々と教えられそうなところがあったら教えるけど・・・」

コトハの発言に耀子は必死に違うと否定し・・・土下座をしつつ全員に頼み込む様子からコトハもこのまま耀子を見捨てれば呪われそうだと語り。

急遽明日のテストに向けた勉強会が実施されることになり、そこからまた時は流れ・・・放課後――――――――



「それじゃ、まずは勉強するには口に何か入れたいよね!!

だからスーパーでお菓子と飲み物を適当に買ってから悠一の家で勉強会って事でいいかな??それでいいならコトハ達は先に悠一の家に行っててよ。

コレくらい私1人で十分だし・・・私が言いだしたことだし奢らせてよ。」

「耀子がそこまで言うのなら・・・・頼もうかな。

――――――――――姉さんもそれでいいだろ?」

「あぁ、耀子の必死さがよくわかるから今日は言葉に甘えるとしよう。

だが・・・余り買い過ぎるんじゃないぞ?今夜の夕食が食べられなくなるだろ?」

涼孤は夕食を全員に振舞うと言うと耀子はさらにテンションを上げ・・・・すぐに家に向かうと言って悠一たちとは真逆の方にあるスーパーへと向かい。

悠一たちは家で勉強のできるよう準備をするために一足先に戻ると。

茶の間に勉強道具を置いて席を決めて座り・・・・耀子が来るまで遊んでいるわけにもいかず先に宿題の方から手を付る事にし、各自は集中しながら目の前の宿題に取り組んでいると―――――――――



「やっほ~~悠一ィ~~今戻ってきたよぉ~~

って、あれ!?もうすでに勉強モードになっちゃってんの!?

早くない??切り替え早いよ?私まだそんな状態には・・・・」

「そんな状態には何??早く耀子も準備をして宿題から手を付けなさい。

それが終わり次第、明日からのテスト勉強を開始する流れになってるのだから邪魔すると怒るわよ?」

「あはは・・・私は宿題出てないから自主的にテスト勉強をしてるけど・・・・

あと、涼孤さんは先に夕食を仕込むって言って台所にいるから今のうちに出てる宿題を済ませてテスト勉強しちゃお。

家に帰ってからだとあまり手につかなくなっちゃうから・・・こういう時に集中してやらないとね。」

「よし・・・これで宿題の方は完了だ。

明日のテスト勉強でもするか・・・・ん?耀子??どうしたんだ??」

悠一の独り言を聞き逃さなかった耀子は悠一にそろっと近づいてプリントを持って行こうとした時、コトハのキツイ視線が耀子の手をぶち抜き・・・・そっと耀子はプリントを元の位置に戻して自分の真っ白なプリントに向かうのであった。



「うがぁぁあぁぁ!?全然わかんないよ!?こことここがこうなってこうじゃないの!?数学とか今後生きるのに使わないだろう方式をどうして覚えないと駄目なの!?マジでグロリアの問題とかそう言うのにしてくれた方が圧倒的に優秀だよ私!!」

「そうね、フレンドリーファイヤーするくらいに優秀よね。

あら・・・これはまだ傷が治り切ってなかったのかしら??」

「何とか机から落ちてないところからすると大丈夫そうだ。

だが・・・余り耀子を虐めないでやってくれよ?テストの予習をする前に宿題で挫折してもらったらこの勉強会の意味がないからな。」

「あはは・・・そうだね・・・

耀子、私でよかったら力を貸すよ?どこがわからないの??」

由里は力尽きる寸前の耀子を放っておけないとすぐに手を貸そうと隣に座り聞き尋ねると。

耀子はそっと手を動かして・・・プリントの1問目に指を置きチラッと由里を見つめた。



「えぇっと・・・そう、ここからがわからないだね・・・あはは・・・

この問題はね・・・これをこうしてこうするでしょ??

そうしたら――――――――」

「こうやって2人のやり取りを見てるとなんだか本当の姉妹みたいだな。」

「悠一ぃ~それはどう意味なのかなぁ~私が勉強のできないダメな妹みたいに見ていなかったァ??」

「言わなくてもダメダメな妹ポジションでしょ?どう考えても。

由里の方がお姉さんポジションに近いのは当たり前だし・・・勉強どうこうというよりも行動が妹っぽいのよね。」

「何やら賑やかにしているが勉強は順調なのか??

私の方は仕込みが完了したから戻ってきたのだが・・・・」

涼孤の言葉に元気のなかった耀子は顔を上げて今日の晩御飯は何なのかと問うと、涼孤は人数分を簡単に済ませるためにとカレーを作ったと返し。

カレーというワードからさらに膨らみ・・・キャンプに早く行きたいと言う妄想をし始め。

それをコトハが引き戻すかのようにしてテストというワードで戻すと、由里の指導を受けつつ宿題を終わらせ・・・先ほど買って来た飲み物とお菓子を広げ一息つくこととなった。



「はいよ、悠一・・・ん~~この新発売のお菓子はまぁまぁだね・・・・

でさ?悠一たちは勉強進んだ??」

「耀子が由里を引きずり回しているうちに私はある程度の復習が終わって過去のノートを見てるところよ。

落とし穴のポイントと間違った解き方をしないようにしてるけど・・・・耀子は随分と余裕そうじゃない?」

「耀子・・・もうちょっと真剣に頑張らないと赤点になっちゃうかもしれないよ??

さっきのプリントも大体の答えが違ってたよ?大丈夫??」

「あの由里がここまで言うってことはもうちょっと頑張らないとマズいって言う事だな。

それなら・・・アレをするしかないか。」

「ん?アレ?アレとは一体何なんだ??」

悠一の提案に一同は頭の上にハテナマークを浮かべ・・・悠一はテストに向けて全員にとある提案を出した―――――――――

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