第484話 最後の総力戦
―――――――――――――アカシックタワー:頂上
バフがかかったムクロたちが攻撃を仕掛けようとした瞬間、ラストファントムは自身の体から黒いトゲのようなモノを飛ばしてバリケードを作り。
ムクロたちに忠告をした。
「いいかぁ・・・ハァハァ・・・よく聞けよ・・・
そのトゲの壁は中立線だ・・・それを超えてこっちに来たらお前たちは敵だ。
入りたければ覚悟して入ってこい・・・・
それじゃよぉ・・・・俺たちは俺たちで始めるか!!!」
「待ちくたびれたぞ・・・お前がこのような事をしなければすべてを黒に引きずり込めたものの・・・・
ことごとくお前は私の邪魔が好きなようだ・・・・
いいだろうお前のやり方で戦ってやろう。」
「どうするのムクロ君!!!このままラストファントムにやらせたらきっと消えちゃうよ!!!」
「だが、アイツはこの壁を越えたら敵だともいった。
きっと慣れ合うつもりはないアイツ自身のけじめなんだろうが・・・俺は壁を越えて援護に出ようと思う。」
「それなら私も!!!むごご!?!?」
「フィール・・・今回はムクロに任せよう。
この戦いはきっと先ほどよりも激戦になるだろう。
そんな中私たちが出れば足手まといになるのも必須だ。
だから私たちはムクロが戻ってくることを信じてここで待機してよう。」
「それがいいわ・・・この先じゃ既に戦いが始まってるようだし。
ムクロも負けないように気合を入れなさいよ?
私からはこの程度しかできないけれど・・・・そ、その・・・頑張って。」
「わわッ!?ずるいよエリ!!!
私もムクロッちにバフをかけてセリフを決めたいのに!!!!」
「あはは・・・みんな緊張感がなくなってるよ・・・・
今はもっと緊張感を出してピリピリした方がいいんじゃないかな??」
ユリハの言葉にミストもコクリトと頷きつつムクロに鼓舞を入れると、ムクロはユリハ達の気持ちを背負ってトゲの壁を越えて戦闘を繰り広げている場へ向かって行った。
「これがお前の力の限界か??
ならば・・・お前では絶対に私には勝てん。
それは戦っている自分自身が一番理解しているんじゃないのか??
―――――――――ハァァァッ!!!!」
「ぐふッ・・・・グガァァァアァァ・・・・ぐぞガぁぁぁ・・・・
こんなところでまだ終われ・・・終わるのか??こんな何も成せないままこんなどうでもいいようなところで・・・・・」
「まだ終わってないだろ!!!目を開いて構えろ!!!
最後の最後まで・・・意識がなくなる最後まで目を開いてろ!!!
こうやって加勢しに来てやったんだヤツに一泡吹かせてやろう!!」
ムクロはラストファントムの受けていた攻撃の前に乗り出し・・・・スキルを放って相殺すると。
黒い妖精はこの事を予測していたのか拍手をしてムクロを迎え、二人同時にかかって来いと言わんばかりに身構えていた。
「アイツは俺たちを両方消す気でいるがお前はどうしたいんだ??
こんなところで消えたくないのなら今だけ共闘しないか??」
「言ったはずだ・・・この壁を越えてきたら全員敵だと・・・グガッ!?
ぐぐぐ・・・・体に痛みしか走ってねぇ・・・・
共闘だか何だか知らねぇがお前がやりたけりゃ好きにしろ。
これだけはハッキリ言っておく・・・俺はお前を助けねぇし援護もしねぇ。
俺は俺のために戦うだけだ。」
「話し合いが終わったのなら・・・死へと向かって来るがいい。
私は逃げも隠れもしない・・・何故なら私は刻印の力をフルに使ったことがないのでな。」
ムクロは黒い妖精の発言に何かを感じ取り・・・考え事をし始めるとラストファントムはしびれを切らし、先に攻撃へと向かった。
「ごちゃごちゃと・・・お前の刻印の力がどれほどか知らねぇがやれるもんならやってみやがれ!!!!!
―――――――――――オラァァァァッ!!!」
「フン、その程度の攻撃で私に傷を付けられると思っているのか??
刻印全開・・・・ならば吹き飛ぶがいい。」
「クソッ・・・・ファントム避けろッ!!!!」
ムクロの言葉を聞いたラストファントムは空中攻撃を中止して黒い妖精の放つ攻撃をギリギリの所で回避した。
「なんつー火力だ・・・だがコレでコイツの全開威力が分かったんだ。
あとはどうやって回避しつつ攻撃を叩き込むかだが・・・・」
「その件なら任せろ。
俺がヤツの注意を惹く・・・だからそのスキにお前は攻撃を仕掛けろ。」
「それでは今度はこっちからだ!!!
避けられるものなら避けて見るがいい!!!!!」
黒い妖精は休む間を与えないつもりかムクロたちが話している最中に全方位へ魔力弾の攻撃を開始した。
「クソッ・・・・ぐあがッ・・・・数が多すぎる・・・・
このままだと間違いなくやられちまう・・・・アイツはどこに・・・なッ!?
この攻撃を・・・避けて進んでる・・・のか??
アイツのどこにそんな力が・・・・」
「くッ・・・さすがに攻撃は激しいが何とかなる!!!
エリのスペル回避の練習に比べたら全然マシだ!!!
それじゃ今度はこっちからやらせてもらうぜ!!!
―――――――――ブレイブダンス!!!!」
「ほう・・・この攻撃を潜り抜けて来たか。
いやはやさすがに驚いた。
この攻撃で完全にお前たちの命を絶つ予定だったのだが・・・・
これならばまだまだ楽しめそうだ。」
ムクロのスキルに対して黒い妖精は不意に取り出した剣で応戦して見せるが、ムクロの攻撃はその防御を凌ぐ勢いで数発を黒い妖精に叩き込んだ。
「さすがに全部は入らなかったが・・・・後は任せたぞラストファントム!!!」
「命令すんじゃねぇ・・・俺は俺のために戦うだけだと何度も言っている。
今回はこのスキを逃す手はないとやって来ただけだ。
コイツの次は俺だ・・・覚悟して喰らうがいい。」
「ぐ・・・・まさかまさか・・・私にダメージを与えるとは大した男だ。
だが、多少ダメージを入れたとしてもまだ勝負は決してはいない!!」
「そうね・・・だから私たちの援護が必要なのだと思って来ちゃったわ。
さぁフィールにミストたちはムクロの方に回って!!!」
「了解した・・・さぁムクロの元へ向かおう。」
「うん!!!コレが本当の・・・・最後の戦いだよ!!!」
ユリハやフィールたちはエリの指示でムクロの方へ集まると。
後方にはアヤカやクーリアたちが集まっており・・・・スペルのチャージを始めていた。
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