第480話 裏で操るモノの正体と事実
―――――――――――――――王都グランデ
ムクロたちは王都グランデに転移するとすぐに王の元へと向かい。
サインの書かれた和平の用紙を見せると、兵士たちはただ事ではないと察して王のいる部屋に連れて来られた。
「ふむ、その様子だと何か一大事と見受けるが・・・・
コレが魔族の王の和平のサインか・・・よくぞ持ってまいった。
魔族の王ベイルスが我らと和平を望むというのなら我らも同じように和平の道を歩もう・・・・さぁコレで魔族と人間の酷く血塗られた力の奪い合いと戦争が無くなった。
あとは互いの関係を考慮しつつ真の平和へ進むだけだ・・・・
本当にムクロたちには感謝を述べたいがそれはまた後日にした方がよさそうだ。
急ぎの用があるのだろう?ならば私の事よりもその急ぎの用事を済ませてくるがいい・・・繋ぎ止めるものたちよ。」
「有難きお言葉・・・・よし、みんな・・・フィールを助けに向かおう!!」
王は言われた通りに王の部屋から飛び出して行くムクロたちの背を見て武運を祈り。
見送った後から王は兵を呼び出し魔の力の研究をしている施設を全て閉鎖し破棄するように命令した。
「で、ムクロ・・・・このまま塔に直接攻撃を仕掛けるのか??
それとも何か作戦でもあるのか??」
「作戦か・・・今回の状況だと作戦だとかそう言うのを考えている暇はなさそうだ。
何せ・・・人間とも魔族とも違う第三の勢力である妖精が相手になりそうだからな。」
「え!?ちょっとちょっと待ってよ!!!
人間と魔族の関係を修復したのは分かってるよ?だけど一番平和主義だった妖精が黒幕って・・・それはどう意味なのさ??」
「私の予測でよかったら話そう・・・きっと妖精は人間と魔族を争わせて自分たちの有利な状況を作ろうとしているのかもしれない。
どうしてかまではわからないが・・・・それも全て黒幕に合えばわかる事だろう。」
「それにいい所であの子が帰って来たわよ。」
「もう、エリには敵わないわね・・・・せっかく隠密で近づいてきたのにさ。
で、私の集めてきた情報は聞きたくない??すっごい特ダネがあるのだけれど。」
「アヤカお帰り。
今は少しごたごたがあって今はこの場にいないフィールを助けに向かっている途中なの。」
ユリハの言葉にアヤカは塔の頂上を睨みつけてから集めてきた情報の核心たる特ダネを話し始めた。
「今回の重要なターゲットでありトリガーはフィールよ。
それもこれもあの塔は元々・・・人間と魔族には扱えない妖精達が作り上げた人間と魔族を滅ぼす兵器だったわけ。
原動力は魔力だけど・・・主に必要なのは妖精の命よ。
つまりフィールはあの塔でエネルギーにされ・・・その命で世界が滅ぶって言うところかしら。
あと黒き邪龍や黒き獣も元になった生物に妖精が作り出した黒きパーツを植え込むことによって生じる不具合のようなものの副産物でラストファントムと同様にハーフな要素を持つ存在よ。
元々はラストファントムや魔族たちを相手にするために作った強化装置ね。
これが私が個別で走り回って集めてきた情報よ。」
「つまり・・・フィールを除いた一部の妖精が人間と魔族を滅ぼそうとしているってことだな。
これで真実に辿り着きそうだ・・・ありがとなアヤカ。
で・・・あの塔で光ってるのはきっと・・・・」
「フィールちゃん!?早く助けに行かないとフィールちゃんと世界が大変だよ!
こんな卑劣な方法・・・私は絶対に認めない!!!認めたくない!!」
「だったら今すぐ塔に向かうよ!!!ムクロッちの目はすでに塔に向かうような目をしてるし・・・あそこに行かないと世界が滅んじゃうし。
フィールともまだまだ話したいことが沢山あるしさ・・・・
だから・・・・この戦いも私たちは絶対に負けられないじゃん!!!」
「その通りだ・・・フィールの死を見過ごせるほど軽く接していないからな。
さぁムクロ・・・ここからが本当の戦いだな!!!」
「それにあそこにはラストファントムと黒き邪龍・・・両方いっぺんに相手をすることになると思うけど。
――――――――今の状況なら何とかなるわね・・・きっと。」
「うぅぅ~~~ますます状況が最悪になっちゃってるけど・・・・
これも大切な仲間であるフィールのため!!!私もできる限り戦うよ!!!
みんなの迷惑と足枷にならないようにね!!!
ま、まぁ!?高貴な私の邪魔はしないでちょうだいよ!!!」
ムクロたちはヴァニスの高笑いに少しだけ元気をもらうと、光り輝く塔の頂上を目指して塔を駆け上り。
モブと戦闘が発生するわけでもなく塔の頂上へ到着すると・・・・・・
「よぉ、待ちくたびれたぜ・・・・いよいよこのフィールとかいう妖精を糧に塔が本格的に起動し世界を壊滅させる・・・・
あぁ・・・・コレでやっと世界が争いのない世界に変わる・・・・
だからお前たちはそこで見て待っていてくれ・・・・とはいかないよなぁ!?
いいぜ、俺が戦ってやる・・・だがその前にご紹介だ――――――
―――――――――コレが本当の黒幕・・・・俺でもない黒の中の黒だ。」
「ムクロ君・・・・ぐッ・・・・」
「フィール!!!今助けてやるからもう少しだけそこで我慢しててくれ。
で、お前は・・・・一体・・・・」
「お初にお目にかかる・・・いやコレで二度目かな??
―――――――――若き人間の剣士たちよ・・・・」
「二度目だと?私たちはお前のような黒い羽をもつ妖精と知り合った覚えはないぞ!!!」
ミストの言葉に妖精は頭巾を取って再び顔を上げると・・・その見た目からムクロはとある印象が頭に浮かび・・・・
「もしかして・・・フィールの村の村長か??」
「何だと!?だが・・・フィールが最後を見送ったはずだ!!!
それとも蘇生の術式か死体操作を使っていることと言う事はないのか??
前にもあったネクロマンサーのような効果とか何かが・・・」
「違うわよミスト・・・きっとフィールの見ていたあっちが偽物で本体がずっと陰で操っていたのだと思うわ。
そのほうが全てが合致するもの・・・・都合の良い様に隠れれていざとなれば現れるあたり・・・面倒なタイプね。」
「どうして!?どうして村長さんがフィールを・・・・フィールの命を使って世界を滅ぼそうとしているの!?どうして!!!」
「ハッハッハ・・・そうだな・・・フィールは私の本当の娘のように可愛がってきた。
だが・・・それは全て私の大きな野望の為に力を付けさせただけだ。
今までにも数々の妖精を使って実験をしてきたがフィールほどの生命に富んだ個体はそういなくてな。
だから時が来るまで実が熟すまで私はフィールを手塩にかけて育てに育てたというわけだ。
さぁ話は終わりだ若き剣士たち・・・つまらない私の願いの為に消えてくれ。」
黒き妖精の姿をした村長は手を伸ばすとそこから黒き邪龍が現れ。
ムクロたちはまず黒き邪龍との戦闘をするべく戦闘態勢に入り別れた―――――
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