第462話 キメラ火山での戦闘

―――――――――――――――キメラ火山前


 フィールはムクロの腕を引っ張って移動する中・・・ユリハ達はフィールの気が休まるのであればと我慢してついて行っていると。

キメラ火山の入り口で急にストップし・・・・全員にキメラ火山の中での注意事項を説明し始めた。



「この地域は私がしてるから説明するね。

まず・・・この火山はすっごく熱いの!!

あと・・・・そうそう!!!地面や壁からゴワッと溶岩が吹き上げてくるからそれも気をつけてね!!

敵はちょろちょろ出てくるけど地形よりも危なくないから無視もできるよ。

だけど本当に溶岩だけは気をつけてね!!服とか燃えちゃうから。」

「この火山にはダメージトラップ的なものがあると言う事か。

そう言う事なら注意していかないとだな。」

「うん・・・あといいかな??ムクロ君とフィールちゃん少し近いような・・・・」

「ウム、それは私も感じていた。

いくらムクロかr迫っていないとはいえフィールは不用意にムクロへ接触し過ぎでないか?」

「だけどフィールってこういうキャラだからねぇ~

頼もしいキャラにベッタベタにくっ付いて行動する癖?みたいなのが付いてるらしくてさ。

きっとムクロッちの事を頼れる人って認識したんだと思うよ。

それに私たちにずっとべたべたとくっ付かれるのもねぇ~~」

「そうね、だけどこうもムクロに触れて行動するのを見てるのも色々と言いたいこともあるわよ。

だからフィール・・・私たちが一緒だからムクロにベタベタと腕を掴んだりくっ付くのは少しだけ遠慮してくれないかしら??」

エリエントの言葉が通じていないのかフィールは無視してムクロと共に火山の中へ入って行くと。

エリエントは強く杖を握りしめて笑顔を浮かべながら凶悪な事を考えていた。



「それじゃキメラ火山に何かの答えがあるって言う事だな??

それにしてもこんな場所に何があるって言うんだ??」

「ムクロ君!!見て!!あそこに変な色のモブがいるよ!!!」

「あれは・・・マグマフロッグ??でもなんであんなに黒い色をして・・・

まさかアレが村長の言ってた異変の断片!?」

「きっとそうじゃないかしら。

それとフィール??次に話をスルーしたら怖いわよ??フフフ・・・」

「ちょっと・・・この怖い顔をしたエリはかなりガチで言ってるから気をつけた方がいい・・・・いででででで!!!アイドルクーリアちゃんの耳を引っ張らないでよぉ~~~~」

「もう少し緊張感を持って行動すると言う事が出来ないのか・・・・

フィール・・・そう言う事だから私たちも戦う準備をしよう。

他のタイプのモブよりもあの黒いヤツだけ異様な力を感じる・・・・ここは慎重に戦う必要があ―――――――」

「そうは言うけど飛び出してるわよ??援護しなくていいの??」

アヤカの言葉にユリハやミストたちがムクロはどこかと探すと、我先にと黒いモブを目掛けて攻撃を仕掛けていた。



「まずはお手並み拝見!!!いっけぇ!!!

――――――――――ゼイアッッ!!!!!ぐッ・・・硬い!?」

「ムクロッちの攻撃でもビクともしないの!?

あんなモブゲームには出てこなかったんだけど・・・どうしたら・・・」

「でもムクロの攻撃でどうやればいいのかわかったわ。

ムクロの攻撃した部位を見てみなさい。

あそこに亀裂が走ってるのがわかる??つまり・・・・」

「装甲系の効果の付いた特殊モブと言う事か。

よしわかった、ユリハにフィールは私たちと共にムクロの援護だ。

ヴァニスは近くにモブが集まってきた場合の為に警戒しつつ待機で頼む。」

「わ、わかったわ!!!これも高貴たる私の役目というのならやってあげようじゃないの!!ふぅ・・・あんなのと戦えるわけないからよかったぁ・・・」

「だったら私たちは先に破損した部位に攻撃を仕掛けるわね。

本当にムクロは勝手なんだから・・・」

アヤカたちは後方から援護攻撃を仕掛け始めるとユリハ達はその攻撃に紛れてムクロと合流し一通りの説明をするとその案での攻撃を開始した。



「うおぉぉぉおぉ!!!!ゼイッ!!!!」

「こうなったらスキルで一気に・・・・

―――――――――4連星突きフォースターレイン!!!」

「いいぞユリハ!!フィールも一緒に攻撃をつなげよう!!!

――――――――煌めけ!!アークブレイク!!!」

「みんなすごいスキル持ってるんだね!!!

私も得意技見せちゃうよ!!!

―――――――――!!!!」

「なッ!?あのフィールって言う子・・・・見た目以上に力強くない??」

「うん・・・それがフィールの戦闘面での特徴なんだ。

大体の敵を剣のみで倒すその姿から妖精のバーサーカーななんていう異名もあるくらいだよ。」

アヤカたちはか弱い見た目をしたフィールのスキルの重さに驚きながら黒いマグマフロッグの体力を確認すると、そろそろスキルを使ってきそうな体力バーに差し掛かって来ており。

ムクロはフィールたちに少し距離を取るように伝えて下がると・・・・



「ゲロロロロロロロ!!!!!」

「ぐッ・・・・すごい鳴き声だな・・・・

だが、予想通りスキルを使ってきた・・・・一体何をする―――――――」

「ムクロ君そこは駄目!!!みんな私に付いてきて!!!」

「ちょっとフィールちゃん!?

あぁ・・・フィールちゃんを1人にできないしついて行くしかなさそうだね。」

「うむ、フィールの後に続こう!!」

フィールは黒いマグマフロッグのスキルに反応してムクロたちを導くように違う方向に駆け出すと。

ムクロたちのいた場所から溶岩が噴出し、辺り一面を火の海へと変えていた。



「こ、コレがあのマグマフロッグのスキル・・・あのまま見ていたら私たちはこんがりと焼けていたというわけか。

今回の件に関しては礼を言うしかないな・・・ありがとうフィール。」

「ううん・・・みんなは私の・・・その・・・仲間で友達だから・・・助けるなんて当たり前だよ・・・えへへ。」

「ありがとな、それじゃ・・・・最後にあのカエルを倒して先へ進もう!!!」

「うん!!!一気に体力を削り切っちゃお!!!」

マグマフロッグのスキルを回避したムクロたちはフィールと共にマグマフロッグの懐へ飛び込み。

深く抉れた部位に連続攻撃を当て・・・・フィールのスキルでトドメを刺すと黒い何かのパーツが転がり落ちていた。



「これって・・・・何かのキーアイテムかな??

フィールちゃんは何か心当たりたい??」

「ん~私もこれは初めて見るアイテムで何とも言えないけど。

もしかしたらこのキメラ火山を抜けた先にある人間たちの街である技巧街に行けば何かわかるかもしれないけど・・・・」

「けど??あぁ・・・なるほどな。

今は人間たちが一番信用できないっていう状況だったな。

だが今のフィールには俺たちが付いてる。

どんなことがあっても俺達全員でフィールを守るから。」

「そうだな、この先の流れはこのパーツにかかっているといった所だな。

その前に言いか??フィール・・・くっつき過ぎだ!」

「おぉ~~いムクロッち~~って、またくっ付いちゃってる!?

フィール!!!不用意にムクロッちに触れちゃだめだって約束したじゃん!!!」

「そうよ・・・次にギュッとしたら電撃100発捻じ込む約束だったわよね??」

「え?そんな約束してたの!?私初耳なんだけど!?」

「どうでもいいけど・・・さっきの騒動で他のモブ達も目覚めたみたいだからまずはここから脱出してから話しましょ。」

アヤカの冷静な言葉に辺りを見ると、そこにはマグマフロッグ以外にもこのFFの世界にしかいないよようなモブが出現しており。

ムクロたちはできるだけ戦闘を回避しつつキメラ火山を突破した。

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