第451話 クーリアのいない日

―――――――――――――耀子の家


 部屋の中に入ると、耀子はベッドで安静にして寝ているのかと思いきや・・・

ブロッサムと画面だけを消したのがわかるパソコンを置いて寝ており。

由里達はそっとカバンを置いて耀子の近くによって低いトーンで語り出していた。



「耀子・・・今さっきまで何をしてたのかなぁ??

もしかして・・・・風邪なのにグロリアをしてたわけじゃないよねぇ???」

「ホラ耀子喜びなさい・・・あなたの大好きな宿題と今日の勉強をまとめたコピーを上げるわ。

さぁ・・・元気なのならすぐにやっても構わないのよ???」

「あはは・・・2人とも落ち着いて・・・・

耀子もずっと寝てたら退屈だったからネットでも見てた程度だろ??」

「えへへ・・・・実は・・・そのぉ・・・・ゴメン・・・」

「ハァ・・・さっきまでグロリアにログインしていたな??

ダメだぞ?風邪の時にグロリアなんてしていたら治りかけていたのがぶり返してしまうじゃないか。

どうしてわかったかという顔をしているが昔から悠一も耀子とをしてたから簡単な事だ。」

涼孤たちは耀子から悠一の方へ顔を向けると・・・悠一は苦笑いをしつつ耀子に体調はどうなのか問うと。

ある程度寝ていたから朝よりはマシと言って再びごろんとベッドに寝転がり。

耀子は壁の方に顔をやって悠一たちにお見舞いに感謝をするのだが・・・・



「はぁ・・・そういう言葉は私たちの方を見ながら言って欲しいわね。

恥ずかしいから言えないのもわかるけど、私たちは別に笑ったりしないわよ。

で・・・明日からは学校に来られそうなの??

今日だって耀子がいないからお昼休みも静かだったのよ?

――――――――悠一も全然喋らなかったし。」

「え?悠一が??も・・・もしかして悠一・・・私の事考えててくれたりする??」

「当たり前だろ?仲間が辛い状況になってるのに自分たちだけ笑ってもいられないからな。

俺以外にも由里や姉さん達・・・それにコトハも心配してたんだ。

だから早く元気になってくれよ?」

「そうだよ!!本当は今日にでも前のイベントクエストを行こうとしてたんだよ?

だけどこの様子なら今日は駄目そうだね・・・・また明日にでも延期しよっか。」

「そうだな・・・あそこのモブはそこそこに強敵だったからな。

しっかりと頭の回る状況で挑まないと大変だからな。

それにイベントはまだ時間があるようだし・・・耀子は十分休んでくれ。

それに耀子がいないからって特別何かクエストに出る事もないから気にしなくていい。」

涼孤たちが残念そうに話していると、耀子は大丈夫、平気だと言い出し。

ベッドから起き上がろうとした時―――――――



「おっと、大丈夫か??耀子??」

「う、うん・・・ちょっどだけめまいがしただけだから気にしないで。

今日は・・・ホームに集合でいいのかな??」

「だ、ダメだよ!?耀子は安静にしておかないと学校にまたいけなくなっちゃうよ??

それに・・・ずっと休んでたら成績にも関わるでしょ??」

「そうよ?誰かさんと同じ大学なりいけなくなっちゃうわよ?

それでもいいのかしら??」

「何にせよ今日は寝ているんだ。

私たちも長居し過ぎたから帰るとしようかな・・・それじゃ耀子、また明日。」

渡し物を渡して少しだけ元気そうな耀子の姿を見た涼孤たちは部屋を出て耀子の母に挨拶をして出て行くと。

耀子をグロリアで注意するという流れで解散して帰り。

悠一は家に到着するとすぐに部屋に向かおうとしたのだが・・・・



「帰ったら早速グロリアをするの?たまにはお姉ちゃんの手伝いとかして欲しいとか言ってみたり・・・」

「わかった、今日は耀子も出られないだろうし姉さんの手伝いをするよ。

――――――――何をしたらいい??」

涼孤の言葉に従い悠一は風呂の掃除や洗濯ものを取り込み終えると。

今度は台所で料理をすることになった。



「それじゃ、今日は悠ちゃんの好きな肉じゃがを作るからジャガイモとタマネギの皮を剥いてもらってもいい??」

「了解。」

悠一はタマネギとジャガイモの皮剥きを始め。

その傍では涼孤が手際よくみそ汁を作っており、涼孤は味見と言って悠一に小皿を渡すと悠一はスッと飲み干し味の感想を言うと・・・涼孤は皿を受け取り。

今日はグロリアで何をするのかと尋ねてきた。



「ん~耀子にも言った通りクエストにはいかないつもりだ。

あれだけ言って置いてクエストに出かけたら絶対に怒ると思うしさ?

それに・・・耀子がいないと静かだと思うから。」

「そうね、耀子はアレはアレでいいムードメーカーだからいないと寂しいわよね。

わかった・・・今日はクエストに出ずに街でブラブラでもするのがよさそうね。

さぁ悠ちゃん、ここはいいから悠ちゃんはグロリアにログインしてきていいわよ?

ずっとログインしたかったのでしょ?」

「あはは・・・やっぱり姉さんにはバレバレか・・・うん、ありがとう。

それじゃ晩御飯が出来たら呼びに来てくれ。」

悠一は皮を剥き終わった食材を置いて部屋に入るとすぐにPCを起動してからグロリアにログインし、まずはホームに顔を出そうと向かって行くと・・・・



「あれ?ムクロじゃない。

どうしたの?学校で居残りでもさせられたの??」

「アヤカ・・・いや、そういうわけじゃないんだ。

実はさ?リアルでクーリアの体調が悪くてさ?色々としてたらこんな時間になっていたんだ。

でも安心してくれ・・・クーリアはには戻って来られると思うからさ。」

ムクロはアヤカとホームに向かいながらクーリアがログインできない事や体調の事を説明してホームの前に到着すると、アヤカはクエストに行かないと言うのならと

ガンフィールドで射撃の練習をしてくると言ってホームには入らずUターンして行き。

ムクロはそのアヤカの後姿を見送ってからホームに入った。



「ただいまぁ・・・誰かいるか??」

「お帰りなさいませご主人様、本日はクーリアが来られないと言う事をたちかから聞いておりますのでご心配なく。」

「そう言う事だからムクロもこっちでお茶を一緒にいかがかしら?」

「ムクロ君が来ないから全部話しておいたよ。」

プライベートホームに入ると台所の方からレイが現れ、リビングに案内されながら向かうと奥にはエリエントとユリハの2人がお茶を飲んでいた。



「で?今日の予定はどうなってるの??

クエストには行かないと言う事は分かっているのだけれどずっとホームにいる訳ではないでしょ??」

「だから私たちも少しだけ考えてみたんだ。

クエストををしないでグロリアを楽しむ方法をね。」

「で、2人はどんなプランを計画したんだ??

ハードな内容じゃなかったらいいけど・・・・あはは。」

「きっとご主人様が想像しているよりも安全かつクエストよりも危険度の低い内容となっております。

アイテムの絡みがありますとクーリアが怒る可能性を考えてそう言った面でも対策済みの計画でございます。

ささ・・・この綿密に考えられたプランを見てください。」

レイからプランの書かれたファイルを受け取り。

内容を確認してみると、街のバザールを見て回ったり武器屋に行ったりするというこだわったとは思えない内容にムクロはこの内容なら疲れずに楽しめそうと了承すると。

エリエントとユリハは笑みを浮かべてお茶を飲んでいた―――――――

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