第429話 ゾンビタイガーの固有スキル
――――――――――――――イベントダンジョン:入口
ムクロたちはポータルでダンジョン前にやってくると。
そのダンジョンは大きく口を開いた洞窟であり・・・その奥からは悲鳴や爆発と言った音が聞こえ。
その音や洞窟からクーリアはごくりと唾を飲み、ムクロの側に寄ってから移動を開始した。
「中は照明で明るいから助かったな。
で、クーリアはどうして俺にぴったりと付いてるんだ?
いつもなら先頭を切って歩いてるはずだと思うんだが・・・・」
「えぇ!?そ、そだったかな!?べ、別に悲鳴とかモブの鳴き声にビビったわけじゃないから気にしないでどんどんと進んじゃおうよ!!!ん?ナニか踏んだような・・・・・それにこの音ってまさか・・・・」
クーリアは恐る恐る後方から転がり来る巨大な岩石を見るや、すぐにムクロの手を握って逃げようとしたのだが―――――――――
「ッて!?何で逃げないのさ!!!
こんな大きなの逃げないとやられるでしょ!!!ホラ今ならまだ間に合うから早く・・・・ムクロッち??」
「俺の勘だが・・・こういうトラップがある場所は大体が先に道がなかったりする所見殺しがあったりするんだ。
つまりだ・・・・ウオォォォオォオ!!!!
―――――――――――ブレイブストライク!!!!!」
ムクロは力を貯めてスキルを解き放つと巨大な岩石を粉砕して崩すと。
さっきの言葉通り近くに隠されていた道が現れ、ムクロたちはそっちの方へ歩いて行った。
「本当にムクロッちって私の知らないコアな情報を知ってるよね~
これがやり込んだ差ってヤツ??他にこういう洞窟に隠された罠とか簡単にクリアする方法って知らない??」
「そんなの教えたら冒険にならないだろ?
それに・・・こういうのは互いに支え合ってクリアするから面白いんじゃないのか?」
ムクロの正論にクーリアは何も言事が出来ず、再びムクロにくっ付いて道なりに歩いて行くと何かが近づいてくる音が聞こえ。
その場で待っていると――――――――
「ぐあぁぁぁあぁぁぁ・・・・・・・・」
「うげげッ!?ゾンビ型のモブ!?イベントのダンジョンにこんなのが出るなんて聞いてないよ!!!
ムクロッち!!私は後方で援護するから前衛は任せたよ!!
こんなの前衛で戦いたくないしマジカルクーリアちゃんは後方に徹します!!」
「あはは・・・わかった。
それじゃお前ら!!!どっからでもかかってこい!!!うおッ!?
まさか天井にもいやがったのか・・・・・本当にどこからでも来たな。
と、言う事でクーリア!!天井にもいるから気をつけるんだ!!」
ムクロの声が聞こえなかったのか聞き返すクーリアの背後にゾンビが現れ。
クーリアの体を拘束して動きを封じると、ムクロは目の前のモブを放置してクーリアに群がろうとしていたゾンビを倒して救助したのだが・・・・・
「うぅぅ・・・こんなの私の考えてたプランじゃないよッ!!!
本当はもっと私がスペルでじゃんじゃん前進して私の有用性と力を見せたかったのに!!!どうして罠とかゾンビ系の気持ち悪いモブとかイレギュラーばかりあんのさ!!!」
「く、クーリア???大丈夫か??
その、ケガとかしてな――――――――――――」
クーリアはムクロの言葉を聞かずに飛びし・・・向かおうとしている道からどんどんとモブが出てくるのを確認しつつクーリアは杖を振りかざしてスペルを発動し。
ダンジョン内のお掃除と言ってモブを次々と燃やし始めた。
「こういうダンジョン内だとクーリアのスペルは本当に使いどころによるけどいいスキルだよな。
でも、そんなに無駄撃ちしてるとMPが切れて大変だと思うんだが・・・」
「いいんだよ!!!ここのモブは私のスペルでやれちゃうくらいヘナチョコなモブなんだから!!
さっきは不意に現れてびっくりしちゃったけど・・・相手がどこにいて何が効くのかさえ分かっちゃえば後はこっちのもんだよ!!!
さぁこのままボスも私が蹴散らしちゃってやんぜ!!!
――――――――――おりゃぁ!!!!!」
モブが次々と倒れていく様を見ながらクーリアとムクロは奥へと進んで行くと。
ダンジョンの奥地であるボスの間に到着し、そのエリアに踏み入れると出入り口が消え。
中央からは腐敗して所々から骨や肉が見えるダンジョンボスのゾンビタイガーが現れた。
「ここに来てまでまだゾンビ系モブ・・・・本当に運営は女性殺しなダンジョンを作りすぎだよ!!!
でも私は女性だけどこういうのも行けちゃう口だから悪く思わないでよわんちゃん!!」
「いや、アレはネコ科だからにゃんじゃ・・・・」
ムクロの冷静な対応にクーリアは恥ずかしそうにリアクションをしていると。
ゾンビタイガーはムクロたちを狙って突撃して来ていた。
「グギャァァァァ・・・・・・・・・」
「クーリア!!避けろ!!!
このボスモブの爪と牙には猛毒と装備腐敗の効果があるから気を付けろ!!
ぐッ・・・にしても地面も溶かすって凄まじいな。」
「うぇッ・・・・またそんな女性に嫌われそうな効果が・・・・
で、でも・・・攻撃される前に倒しちゃえばいいんだよね!!!
だったら私の出番!!今回のマジカルクーリアちゃんはいつもとはわけが違うよ!!
――――――――――――いっけぇい!!!ファイヤーボール!!!」
クーリアの放つスペルに焼かれてひるんだすきにムクロが攻撃を叩き込むと言う息の合った連携を見せていると。
ボスモブの体に変化が見られ・・・ボス特有のスキルが発動されようとしていた。
「ムクロッち・・・コイツのボススキルって何??
こんなグロいボスモブと戦ったことがないから全然知識がないから対応できないんだけどさ?」
「このボスモブのスキルは瞬時に消えて攻撃対象プレイヤーの後方から一撃を見舞うスキルを持っている。
つまり俺かクーリアのどちらか後方に飛んでくるって言うわけだが・・・クーリアは自分自身の背中は守れるか?」
ムクロがクーリアにスキルの説明とガードできるか問うと、自信が無いような表現をした瞬間・・・・ゾンビタイガーはその話を聞いていたのかクーリアの背後に一瞬で移動し、クーリアに鋭い一撃を叩き込んだ。
「グギャァァァアァァァ・・・・・・・・」
「あ・・・アレ・・・・おかしいな・・・・全然見えなかったよ・・・・・
かふッ・・・・毒のダメージってこんなに染みるんだ・・・知らなかった・・・」
「クーリアッ!!!!
待ってろ・・・すぐに戦いを終わらせて助けてやるからな!!!
――――――――うおぉぉぉおぉ!!!!ブレイブダンスッ!!!!!」
クーリアに一撃を与えたゾンビタイガーは背後にいたムクロに気が付かず。
気が付いたころにはゾンビタイガーの体力はなくなっており・・・ゾンビタイガーの体はドロドロに溶けて消滅して消えさると。
体力バーが徐々に減っているクーリアのモノへ駆け寄り・・・万能薬をクーリアに与えた。
「ンゴンゴ・・・ヴぇッ・・・この薬マズいけど大丈夫なわけ?
毒のデバフは消えたけど・・・あと、その・・・背中部分が解けちゃったんだけど大丈夫そう?
はぁ~~またユリハに直してもらわないといけないのかぁ。」
「でもあの一撃を喰らってよく耐えたな。
てっきり毒とダメージでやられるんじゃないかって考えていたんだが・・・・何とかなってよかった。」
ムクロの言葉から色々とクーリアはグチグチと語る中。
背中の溶け具合を確認したムクロはそっとクーリアを抱き抱え、背中が見えないようにすると。
クーリアの言葉が止まり、少し照れながらダンジョンのクリア報酬を回収してからホームへと戻って行った―――――――――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます