第416話 最後の最後のポイント勝負
――――――――――――――中級層:砂漠フィールド
ムクロたちはユキシロが引っ張る方向に何か不思議な臭いを放つモブがいると言われながら向かっていると。
ユキシロは急に立ち止まって身を低くし・・・・丘の先に不思議な臭いを放つモブがいるとムクロたちに聞かせると。
ムクロたちもユキシロに合わせて身を低くして砂漠の丘をのぞき込むと・・・・・
「な、何なのアレ!?
大きなトカゲかしら??それにしても背中になにかニョロニョロした毛?みたいなのが生えてるけど・・・・あのモブは・・・・」
「レッドスカーフだ・・・・
赤い体表に独特な形状をした毛を持つオオトカゲで。
口から吐き出す消化液と火炎弾が面倒な希少種だ。」
「ぬぅ・・・変わった匂いがすると思って来てみたのじゃが・・・・これはアタイの想像だとあんまり美味しいモブではなさそうなのじゃ。
じゃが・・・ここまで来た以上―――――――――」
「もちろん戦うまでだろう!!!
さぁ、今日が最後のイベントなんだ・・・・ここでゆったりしてもしょうがない!!
いつもの当たって砕けろ作戦でどうだ?」
ミストはにっこりとムクロの方を見て作戦とはいいがたい作戦を言い出すと。
ムクロはやる気に溢れるミストの意見に乗っかることにして。
クーリアに後方支援を頼んでヴァニス達を引き連れてムクロは正面から突撃を開始した。
「グルルルルル・・・・・・グアァ!?」
「ぬひょ~~~ヤツがこっちに気が付いて攻撃を仕掛けて来たのじゃ!!!
ぬへッ!?消化液を飛ばしてきておるのじゃ!!!!」
「ちょっ!?ちょっと待って!?消化液って私たちの・・・その・・・服にかかったらどうなっちゃうのかしら・・・・・」
「そりゃもちろん・・・・かかった部分だけ溶けるだろうな。
火炎攻撃でも衣装は焼けるのだから当たらない事を心掛ける必要があるんだが・・・・まぁ・・・それも経験と言うヤツだろう。」
「あはは・・・その、なんだ・・・・やられる前にやればいいんだ。
だから無理しない程度についてきたらいい。
うおぉぉぉおぉ!!!!!まず一撃ィ!!!!」
ムクロはレッドスカーフの攻撃を確実に避けて鋭い一撃を叩き込むと。
レッドスカーフの毛が急に硬質化してムクロに襲い掛かった。
「ぬおッ!?まさかあの毛は武器になるのか!?
じゃが・・・・そんなことで退くアタイたちではないのじゃ!!!
―――――――――ぬおぉぉ!!!牙狼拳:瞬激!!!!」
「普通だったら退くわよ!!!私は本当に未経験なんだから少しくらい穏便なくらいがちょうどいいの!!!
本当にどうなっても知らないんだから!!!もうムクロと一緒にいるとホントに危険な戦いばっかりで大変よッ!!!」
「まぁそう言うなヴァニス。
私はこういう状況だからこそ自分の腕が磨かれると思っている。
何せムクロはこのモブを知っていたと言う事は1人で戦って勝ったと言う事だろう。
だから私たちもムクロに近づこうとするのであればこのモブをソロで倒せるようにならないと駄目だと言う事だ。
それに・・・・ムクロがいるんだ・・・何も怖いことはない!!!
―――――――――さぁ受けるがいい!!!アークブレイクッ!!!!」
ミストの言葉にヴァニスはグッと歯を食いしばり。
ミストの放ったスキルから繋ぐようにヴァニスもスキルを叩き込むがレッドスカーフの体力は依然として黄色バーに差し掛かっておらず。
ミストたちは異様な体力の多さにムクロへ尋ねた。
「このレッドスカーフと言うモブ・・・・体力が減っていないように見えるくらいあるんだが・・・どうなっているんだ?」
「それはだな、このモブは自動回復効果持ちなんだ。
だから体力が減っていないように見えるだけでしっかりと俺たちの攻撃は喰らっているんだが。
体力バーからみて自動回復に強化が施してあるな・・・・もう少しだけ攻撃ペースを上げる必要があるんだが・・・・行けそうか?」
「のじゃ!!!アタイは全然平気なのじゃ!!!」
「援護バフは任せて!!
このモブの情報をメモりたいから私の攻撃は期待できないと思っていいよん♪
さぁ~てメモメモ~~~」
「ちょっと!!!そのメモは後でもできるのなら攻撃してよ!!!きゃぁッ!?」
ヴァニスがクーリアの方向を向いたスキを突いてレッドスカーフはヴァニスに攻撃を仕掛けていたが。
レッドスカーフの火炎弾をムクロは剣で斬り裂き・・・・ヴァニスのガードに成功していた。
「あ、ありがと・・・・・」
「あぁ、だがよそ見はこの場では命とりだ・・・・だから気をつけてくれよ?
それじゃ俺は攻撃にでる!!!!
うおぉぉぉおおおぉ!!!!ゼイアッ!!!!!!」
「主殿が攻撃に出たのじゃ!!!アタイたちもさらに威力のあるスキルで体力を奪うのじゃ!!!
―――――――ぬおぉぉぉおぉぉお!!!!牙狼拳:撃滅!!!!」
「ナイススタン!!!
それじゃこの連続切りでどうだ!!!!ハァァァアァァァァ!!!!セイヤッ!!!」
「いいよいいよ~ふむふむ・・・そこが弱点で・・・・そこが武器になるのかぁ・・・
ふむふむ・・・見た事ないモブの情報をタダで集められるのもムクロッちと一緒だからできる事。
本当にムクロッちさまさまだよ~~~ん?んぎゃぁぁ!!!!」
クーリアはキーボードで文字をカチャカチャを撃ち込んでいると。
ふと何かが飛んでくる音が聞こえ、上を見ると。
見た先にはレッドスカーフの火炎弾の破片が飛んできており。
クーリアはその破片に飲まれて体力が黄色にまで消滅していた・・・・・
「クーリアの方に直撃したが・・・・大丈夫か!?
クッ・・・・よくもクーリアを!?」
「ちょい待ち!!!私はまだやられちゃいないよ!!!
それよりもプラン変更!!!私はバフを止めて攻撃に出るよ!!!
さっきの攻撃分・・・ううん・・・それ以上のダメージでお返ししてやる!!!!
―――――――――くらえ!!!サンダーブラスト!!!!」
「よし、クーリアの攻撃の後に俺達も続けて攻撃を入れて終わりにさせよう!!!
・・・・・・クーリアの攻撃が止んだ・・・・今だッ!!!
――――――――――――ブレイブダンスッ!!!!!!」
クーリアの放つ電撃が止んだのを確認したムクロは感電して動けなくなったレッドスカーフにスキル攻撃を叩き込むと。
その攻撃に合わせてミストとヴァニスにユキシロのスキルも連続でヒットさせると。
レッドスカーフの体力バーが赤色になっており・・・・ミストたちはムクロにトドメを任せると叫ぶと。
ムクロは最後の一撃を放ち、レッドスカーフを消滅させた。
「ふぅ・・・みんなお疲れ。
クーリアも最後の最後でいいスペルだった。」
「へへん!!!私だって日々成長してるんだよ!!!
それに私たちじゃ今さらポイントを集めても間に合わないけど。
ムクロッちはユリハと戦っているんだからじゃんじゃんラスキルしてポイントを稼いでいってよ!!」
「昨日までは追いつく気でいたがさすがに無茶だからな。
だからムクロ・・・ユリハに負けるんじゃないぞ!
きっとユリハたちの方も同じようなことをしているだろうしな。」
「のじゃ!!何せバックの強いアヤカとエリがあっちにいるのじゃ。
ユリハとのコンボは本当にすごい強さになるはずじゃ。
だがのぉ?アタイたちは数で勝っておるのじゃ!!じゃからアタイたちは絶対に負けないのじゃ!!」
ユキシロの言葉にミストたちの言葉が胸に染み、ムクロはみんなに笑顔で感謝の言葉を述べると。
ユリハ達はもっとモブを倒しているだろうと考えてムクロたちはさらにモブを求めて移動を開始した――――――――
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