第417話 ティーブレイク後の戦闘
――――――――――――――中級層:砂漠フィールド
ムクロたちはあれからモブを探しながら手当たり次第に出くわしたモブを倒し続け。
ユキシロの鼻やクーリアのモブ探知の効果もあってボスモブとの戦いの機会にも恵まれ。
多くのモブたちを倒していると、ヴァニスが少し疲れたと言い出し。
ムクロは開始してからずっと休憩することなく戦っていたことに気が付き。
少しやり過ぎたと謝り、拠点へと戻って行った。
「ヴァニス悪かったな・・・俺の都合で休憩もなしに付き合わせて。
もうちょっと仲間の事を考えてやるべきだよな・・・・悪い。」
「ううん!!!ムクロがそんなに謝る事なんてない!!
私がプレイ慣れしてないから・・・・本当に私のためだけに休憩を入れてくれてありがと。
これで・・・ユリハに負けても私の責任にして構わないから・・・・
こ、高貴な私の責任にできるのだから本当に大した男よムクロは!!」
「ぬへぇ~~ヴァニス、自分だけに責任を負う必要はないのじゃ。
ちょうどアタイたちも休憩をしようかと言おうかと相談していたのじゃ。
それが重なってこうなっただけでヴァニスの責任じゃないのじゃ。」
「そうだぞ?私たちがこれだけ疲れているのだからムクロの負担も相当なものだ。
だからこうなることは必然だったんだ。
それにこうやって休んでいるのは私たちだけじゃないだろう・・・・ホラ、噂をしてみればユリハからチャットが来ているぞ。」
「ん?なになに・・・あぁ~ユリハの方もティーブレイクしてるのかぁ~
いいなぁ~私たちの所は何にもナシだもんねぇ。
そう言う所を考えるとあっちの方がよかったって思っちゃうね~
ん?道具があるのならやればいいんだよね?誰か茶葉とか何か持ってない??」
クーリアはテントの中に転がっていたヤカンを見つけると。
ムクロたちに茶葉はないかと尋ね・・・各自はアイテム欄を見て何かあるか調べると・・・・
「お、私のアイテムの中に紅茶の茶葉がドロップしていたぞ。
これを使ってみるのはどうだ?」
「よし・・・後はお湯を作るだけだね。
そんじゃ焚火の前を失礼ぃ~~」
そう言ってクーリアは茶葉のアイテムを合成してヤカンの中に入れて紅茶を作り始めること数秒。
クーリアの淹れたお茶を受け取ったムクロたちは同時に紅茶をすすると・・・・・
「ぶへッ!?なんなのじゃこの味は・・・・想像以上に渋いのじゃ・・・・べっべっ・・・・」
「きっと茶葉にも色々あるんだろうが・・・今回の茶葉は砂糖も何もないから渋かったのだろう。
誰か甘みをくわえるものか何かないか?」
「俺はそう言った料理系に使うものは持っていないからな。
ヴァニスは何か持っていたりしないか?」
「フッフッフ・・・高貴な私の出番到来と言うわけね!!!
さぁ~愚民どもひれ伏せい!!!
私の高貴なティータイムを見せてあげるわ!!!」
「え、何?何が始まるの??ヴァニスってずっとそんなモノをアイテム欄に入れて戦ってたの?」
クーリアはヴァニスが取り出すティータイムセットを見て驚きを隠せず。
ヴァニスは高貴だからといつでもどこでもティータイムができるように一式を持ち歩くようにしていると語り。
クーリアの淹れた紅茶ではダメだと言って本気を見せると意気込みながらお茶の用意をし始め―――――――
「よし、そろそろいい頃ね。
私の高貴な紅茶をうんと楽しんで・・・はい。」
「あ、ありがとな・・・アハハ・・・・」
「それじゃお言葉に甘えて・・・・ずず・・・
あ、コレは美味しい・・・・ヴァニスにこんな特技があったとは。
予想では誰かにやらせているように思えたのだが。」
「そうだよねぇ~私もヴァニスはなんにもできないお嬢様かと思ったけど。
想像以上に美味しい・・・・」
「うむ、この紅茶は先ほどのシブ汁よりもウマいのじゃ~
―――――――――もう1杯飲みたいのじゃ~」
ユキシロのおかわり発言にヴァニスは気をよくしたのか。
カップに紅茶を注ぐと、クーリアやミストもおかわりを注文する中。
ムクロはカップに口を付けながら暗くなっていく空を見つめていた。
「どうしたのだ?紅茶が口に合わなかったか?」
「いや、紅茶は美味いんだが・・・・後2時間もすればこのイベントも終わりと考えるとなんだか早かったと感じてさ。
もっとみんなでイベントを楽しみたかったって考えていたんだ。」
「そうだねぇ~このイベントは色々あって私も楽しかったよ?
でもさ・・・また違うイベントもあるとおもうし今回のこのイベントを勝利で締めくくろうよ!
それにムクロッちはまだユリハとの戦いも残っているんだしさ?」
「私はもう少しモブが大人しかったら嬉しかったかな?
ウェーブ戦のモブなんて凶悪なのしかいないし・・・・・
はぁ~本当にこういう時だけは洞窟城にいる方がよかったって思うのだけれど。」
「ヴァニスはまたネガティブなのじゃ。
こういう時はもっと楽しかったことを思い出すのがいいのじゃ。
例えば・・・主殿とこうしてお茶を飲めたとかのぉ?」
ユキシロの言葉にヴァニスは考えを改め。
嫌な事ばかりでもなかったと小さな声で呟くと、ムクロはユリハにそろそろこっちは最後の追い込みを開始すると返事を送ると。
ユリハ側もこれから同じようにモブを狩ると言う事から・・・互いに最後のモブ狩りをするべくモブを探しに拠点を後にした。
拠点を飛び出してから一定の距離を移動していると、ユキシロは何かを見つけてその場所まで近づくと・・・・・
「主殿!!コレは何なのじゃ??
アタイ・・・これを見るのは初めてなのじゃが・・・・・」
「ん?コレは・・・・剣のようなもので切りつけた跡だな。
それに妙に新しい・・・・まだこの近くにいるかもしれないから気をつけた方がいいな。」
「それはそうとムクロ!!!あの先にモブの群れがいるぞ!!!
最後の追い込みにはピッタリだと思うがどうする?」
「私の事を気にする必要はないわ。
何せ私は高貴なのよ?だから付かれていたとしてもムクロの足手まといにはなりたくないから・・・・これから制限時間いっぱいまでムクロの為に戦うわ!!
だ、だから・・・モブがいるのならアタックあるのみよ!!」
ヴァニスは照れながらムクロにモブがいたら戦おうと語ると。
ムクロはヴァニスや皆に感謝してミストの言うモブの群れの方へ駆け出して行った。
「ゼイアァァァッ!!!!
―――――――――ミノタウロスソルジャーか・・・ポイントはそこそこだが数が多いから点数稼ぎにはもってこいだな!!!」
「うむぅ!!!主殿!!!このミノタウロスソルジャーのトドメを任せるのじゃ!!!
アタイはヴァニスの援護に向かうのじゃ!!」
「きゃぁぁぁぁ!!!どうして私の方にモブが妙に集まるのよ!!!
誰かぁ~~~手伝ってぇ~~~~
テイテイテイテイテイ!!!!テイヤッ!!!」
「ヴァニスはまだチャームアイテムでも装備しているのだろうか・・・・
それともヴァニス自身にモブが興味を示しているとか?
何にせよモブに追われているのは確かだな・・・・フンッ!!!
ムクロ!!!この場のモブは私が引き受けた。
だからムクロはユキシロと共にヴァニスの援護に回ってくれ。」
ミストにこの場にいたモブを任せてムクロはユキシロと共にヴァニスが逃げ回っている方へ駆けつけると。
ヴァニスは2人が来てくれたと安心したのか立ち止まり、ミノタウロスソルジャーに対して攻撃を叩き込んだ――――――――
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