第405話 2人の遊撃部隊
―――――――――――――――第3ウェーブ:モブ合流地点
モブの新たな自爆スキルを使うタイミングを掴んだヴァニスやそれを見たミストたちはモブの体力が黄色バーに差し掛かると。
さらに威力を乗せる形でスキルを放ち。
モブを先ほどのように自爆させる段階までいかせないように倒していく中。
ユリハは少しだけ武器のクセに手を焼いているムクロが気になっていた。
「その・・・ムクロ君・・・ガヘリスさんから貰った武器はやっぱり使いにくいんじゃ・・・・」
「いや、そんなことない。
コレはコレでいい味をしていると言うかさすがガヘリスって言った所だな。
何せ防御効果を無効にするスキルが今ではかなり役立っているし。
長さも重さもちょうどいいからな。
でも、そうだな・・・あの武器と比べたら少しは性能が下がるかもしれないが。
モブを倒すことだけがゲームじゃないからな。
ユリハや皆とプレイすることに意味がある。
だから気にせずに行こうぜ。」
「なにカッコイイこと言っちゃってんの!!!
私たちには全然そう言うこと言ってくれないくせに!!!
ムクロッちは本当にユリハの前だとキメにキメちゃって・・・・本当に贔屓はやめてよ!!!」
「それは激しく同意するわ。
最近ムクロはユリハとばっかりでもう少しは私たちと絡みなさい。
それに・・・私たちを超える絡みを待ってる人がいるのも忘れては駄目よ?」
エリエントの言葉にムクロはモブに攻撃しながら誰の事なのかと尋ねると。
エリとクーリアはため息をつきながらレイの事だと語ると。
ユリハも苦笑いしながらモブに攻撃をしていた。
「そう言えばレイはホームにずっと1人なんだよな。
また顔を出さないと怒られちまうな・・・あはは。」
「ムクロ君!!!後ろ!!!とどけぇぇ!!!!!テイヤッ!!!」
「まだよ!!!体力が黄色になったわ!!!
すぐに決めないとまずいわ!!!
――――――――――ブリザードボム!!!」
「私もバフとデバフだけは飽きちゃったし。
攻撃に参加させてもらうよん!!!
―――――――――――サンダーアロー!!!
―――――――――――ファイアーブリッツ!!!!」
「それじゃ足りないわ。
ここは私が作った新しい弾の出番のようね!!!」
「それの梱包を手伝ったのは私なんだから1人で全部作ったみたいないい方は止めてよ!!!
もう・・・高貴な私を差し置いてアレを使うなんて卑怯じゃない・・・・」
アヤカはヴァニスに製作作業の手伝いをしてくれたことに感謝をしつつ新しい弾の強化型貫通弾を発射すると。
大きな音とともに発射された弾が綺麗に鬼の額を貫き・・・ヘッドショット判定でモブは一撃で消滅していた。
「中々いいじゃないこの弾。
市販品の貫通性のある弾とは比べ物にならない程に強力に作り込んでるからざっとこんなものね。」
「だ~か~ら~私も手伝ったんでしょ!!!もう!!!次に頼まれてもしてあげないんだから!!!
アレを作ってる最中どれだけ手とか腰が痛くなった事か・・・・
あんな地味な内職は高貴な私のすることじゃないわ!!!」
「ヴァニスとアヤカの作った弾がすごい事は分かったんだが・・・
その音につられて他のモブもこっちに近づいてきてるみたいだ。
だから気をつけて行動してくれ。
それじゃユリハ・・・俺たちは遊撃を開始しよう。」
「うん!!みんな!!ムクロ君のサポートは私に任せてここの防衛をお願い。
あと、近くにライザーさんたちも戦っている様だから何かあったら私たちの方にも連絡を飛ばして・・・って、ムクロ君!!まだ説明の途中だよ!!!」
「あの2人は本当に・・・・最後の最後まで見せつけていくよねぇ~~~
ムクロッちたちとアレが衝突してどれだけのモブがこっちに来るかが問題だよね。」
「そうね・・・だから今のうちにバフをかけ回復をして待機といった所かしらね。
ミストたちはケガはない?」
「あぁ、私とファムは何とか無傷に近い。
体力が減っているのはヴァニスにユキシロくらいじゃないか?
だから体力回復はあの2人を優先で頼む。」
「そりゃ高貴な私にして見たらこんな強敵と戦うなんて想像もしてなかったし。
実際に言うと私は本当に駆け出しのプレイヤーと同じレベルって言う事を覚えておいてよ!?
装備はお金の力で何とかしてるけどプレイングはお金じゃ何ともならないから。」
「そうじゃのぉ・・・プレイングは日々の鍛錬の積み重ねなのじゃ。
強くなりたいのならもっと強敵と剣を交わらせることじゃ。
じゃが・・・あのモブの群れはさすがに多くないかのぉ?」
ムクロたちが交戦を開始してユキシロたちの方に向かってくるモブの数は軽く10体を超えており。
ムクロたちの方にも同じようにモブがおり・・・激しい戦いを繰り広げていた。
「あの2人があんだけ戦ってるんだったら私たちも何とかやらないとだね。
それに・・・まだポイントでも天と地ほど離れてるわけじゃないし?
まだまだチャンスがあるって言うか?ぐぅぅ・・・と、とりあえずやるよ!!!
目の前のモブに先制スペルアタック!!!!
――――――――――――ファイヤーボール!!!
――――――――――クラッシュサンダー!!!」
「うむ!!あれだけのモブを倒すことができればクーリアたちのポイントに大きく加算される事じゃろう。
じゃが!!!討伐はアタイも譲れないのじゃ!!!」
「あ、ユキシロ!!!
本当に戦いの事になればすぐに飛び出す癖はムクロと同じだな。
だが・・・この戦いが本当のウェーブ戦最後と言うのなら私も本当に全力で戦おう。
――――――――――――アークブレイク!!!!」
「フフフ、みんな考えることは同じってことだね。
私も熱く燃えるような戦いをしちゃうよ!!!!
――――――――――――ファイヤーランス!!!!」
クーリアの放ったスペル攻撃が開始の合図となり。
ユキシロたちも飛び込んでくるモブに対して攻撃を当てながらうまく連携を行い。
体力が黄色になるまで攻撃を当て、黄色になれば激しい攻撃で一瞬で倒し切ると言う流れるような攻撃パターンでモブを倒していき。
チラッとムクロたちを見ると・・・2人はすでにモブを倒しており、そのまま走り去ってモブの遊撃に出て行った。
「く、クーリア!!!バフとスペル攻撃が止まってるわよ!?
くッ・・・・クーリアってば!!!」
「え、あ!?ちょ、ちょっと待っててねぇ~~マジカルクーリアちゃんでも少しくらい自分に見惚れちゃうことがあるんだよ!!!
ほいさ!!!コレでいいでしょ?
それと・・・・これでもくらえい!!!!
――――――――――――ヴァルカノンブレス!!!」
「何かさっき見てたけど・・・・何を見たのかしらね?
まぁ・・・さしあたりあの2人なのだろうけど。
もしかして・・・ユリハにヤキモチでも焼いてるの?」
エリの言葉にクーリアは図星のような態度を見せてバフの最中に動きを止めると。
その態度にエリはもっと自分自身の力を付けるようにだけ語り。
エリはクーリアの側から離れてミストたちの方にいる数体のモブにデバフをかけ始めると。
クーリアはその言葉の意味を考えながらヴァニス達のいるモブの方に向かった。
「よし、戦闘終了・・・何とかモブの討伐はできたが・・・・けが人はいないか?」
「私とクーリアは大丈夫よ。
アヤカが援護してくれたから距離を稼ぎつつ倒すことができたから。」
「うん・・・マジカルなクーリアちゃんは無傷だよ。
でも・・・あの2人は大丈夫かな?バフもデバフもしだけどさ。」
「あの2人ならきっとうまく立ち回って何とかしてるよきっと・・・・
だって無茶をするけど頼りになるムクロと時々無茶をするユリハだから。
多分大丈夫じゃないかな。」
ファムの言葉にその場にいたミストたちは少しだけ2人がどうしているのかが不安になりつつも。
作戦行動で決めていたライザー達の方に向かい、モブの追い込み作戦を行うために移動を開始するが。
その際もクーリアは少し浮かない顔をして歩いていた―――――――――
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