第400話 ムクロの代わり
――――――――――――――ウェーブ戦:第2ウェーブ
エリがムクロたちの後方へやってくと・・・すぐさまモブにデバフをかけ。
追加でムクロたちに強化バフをかけてからクーリアに後どのくらい時間がかかりそうかと問うと。
クーリアはそのモブの群れが全滅するまで時間がかかりそうと返答すると。
エリはクーリアにもっと効率よく回復させる様に言うだけ言うと。
ムクロたちに目の前のモブの大半を任せてもいいかと問うた―――――――――
「あぁ、このくらい大したことはない。
さぁユリハ・・・まだ勝負の決着が着いていないんだ・・・ポイント勝負と行こうぜ!!!」
「うん!!この状況で不謹慎かもしれないけど・・・
この状況だからこそ私はムクロ君を全力で追い抜くために戦うよ!!
それじゃ・・・先手必勝!!!
――――――――クイックストライク!!!」
「こんな時まで2人は仲良しなのはいいけど・・・・
本当に早く全部のモブを倒してくれていいからね?
こっちのけが人のダメージは想像以上に深くてマジで時間かかるからさ。
くッ・・・・治癒魔法をかけてもかけても全然足りないじゃん!!!」
「ぐぁ・・・助かる・・・ウサミミのプレイヤー・・・・」
クーリアの治癒魔法によって少しずつであるが体力が回復していっているが。
それと同時に戦っているムクロたちの体力はモブの数を前に少しずつであるが体力が削られていた。
「チッ・・・さすがに数が多い・・・それにあのモブ達も妙にカバーをしてくるのが厄介だ。
エリ!!!何でもいいからスペルでスキを作ってくれ!!!」
「わかったわ・・・・それじゃすぐに使えるスペルを発動するわよ。
―――――――――ブリザードランス!!!」
「よし・・・このスキに!!!!
―――――――――――はぁぁぁぁ!!!
ユリハのスキル攻撃がヒットするが・・・その攻撃では致命傷になっておらず。
次の瞬間にはモブのカバー攻撃が繰り出されており。
ユリハは避けることなく攻撃を喰らうはずだったのだが・・・・・・
「え?む、ムクロ君!?ぐッ・・・テイヤッ!!!!」
「ナイス・・・・キル・・・ぐッ・・・・クソ・・・結構いいのをもらったか・・・・めまい状態になるなんてついてないな。
ユリハ達の声も全然聞こえねぇ・・・」
「ムクロ!!!避けなさい!!!次の攻撃が来ているわよ!!!
くッ・・・この状況じゃ私のスペルでムクロを助けることもモブを倒すこともできない・・・どうすれば―――――――」
「ファイヤーボム!!!&ローズトラップ!!!!
ふぃ~~何とか間に合ったぁ~~~大丈夫?ムクロッち。」
「どうにかなったようね。
ライザーギルドの救護班をクーリアたちのいる方に向かわせておいて正解だったわ。
ライザーも何か必要な事があったら何でも言って。」
「おう・・・こういう時はお互い様だ。
俺たちはギルド連合と行動してるから人数には余分があるから気にすんな。」
ライザーギルドの救護班とクーリアがバトンタッチし。
急いで駆け付けたクーリアのスペルによってモブの動きは拘束され・・・そのスキにめまい状態のムクロを引きずりながらユリハは救護班の方へと駆け込んだ。
「すみません!!ムクロ君の治療をお願いしたいのですが!!!」
「くそ・・・まだ力が入らねぇ・・・・」
「無理をしないで!!!わかりました。
私たちがムクロさんの治療を行いますのでユリハさんはエネミーとの戦いを優先してください。
きっとライザー団長やムクロさんも同意見だと思いますので。」
救護班のプレイヤーからそう言われ・・・ムクロの手をそっと放したユリハは。
その手をぎゅっと握りしめて剣を持ってクーリアたちの方へ駆け出して行った。
「こんのぉぉぉぉ・・・・大人しくしててってば!!!
エリ!!あとアヤカに皆もこのモブ達がそろそろトラップを脱出するかもだから態勢を整えてて!!!」
「えぇ、だから伝えておいたわ・・・・
―――――――――――大きな助っ人にね。」
「どこだぁぁぁぁ!!!私の大切なムクロをボコボコにしたモブは!!!!
――――――――――フゥッフゥッ!!!!」
「ちょっとミスト落ち着いて!!!いつもの冷静なミストはどこに行っちゃったの!!
ほらムクロはキルされてないから冷静に落ち着いて息を整えようよ。」
「のじゃぁ!?!?ぬへッ!
あ、主殿が負傷したと聞いて飛んできたのじゃが・・・・どこにおるのじゃ!?
あ・・・主殿ぉおぉぉぉぉ~~~ワオ~~~ン!!!」
「ハァハァ・・・急に飛び出してっちゃ危ないでしょ!!!
あとユキシロ!!!あなたもミストさんと同じように少しは落ち着きなさいよ。
私を見て見なさい!!高貴であるがゆえにいつも冷静でクールよ!
みんなも冷静にクールに行動しましょ!!で、ムクロはどこなの!!」
「あはは・・・ムクロ君ならそこの救護班の建てた救護テントの中で治療中だよ。
それよりも・・・クーリアのローズトラップからモブが出てくるから・・・
目の前のモブを倒してから話をしよっか・・・・・」
テントからトラップの方へ眼を向けたユリハの視線は冷ややかで・・・クールと言うよりも冷徹な視線であり。
鬼が飛び出してきたと同時にユリハは加速スキルで武器ごと鬼をスライスし・・・その鬼を消滅させ。
再び剣を構え直して次に来る鬼に狙いを定めたのだが―――――――――――
「ユリハ!!!上よ!!!新手の鬼が2体!!」
「ユリハばかりに良い格好させられないから・・・
私もやらせてもらおうかな!!!!
――――――――――アークブレイク!!!」
「うむ!!!主殿を負傷させたモブならば手加減する必要なしなのじゃ。
痛み無くして消滅できると思わないことなのじゃ!!!!
ヌラァァァッ!!!!ウリャッ!!!」
「ゆ、ユキシロもなかなかやるようになったじゃないの・・・・
ぐぅぅ・・・わ、私だってやればできるんだから!!!
高貴なんだからやってやるわよ!!!
テイテイテイテイテイテイッ!!!テーイッ!!」
「それじゃ甘いわよ!!!あとのトドメは私に――――――――」
「んにゃ!!!私がいただくよ!!!
ムクロッちの仇!!!!覚悟ぉぉぉぉお!!!
―――――――――フレイムサイクロン!!!!」
トラップから抜け出してきたモブ達をクーリアたちが倒していく中。
ユリハの周りには5体のモブが囲んでおり。
万事休すかと思われたが、ユリハの動きは先ほどとは全く異なっており。
冷静かつ繊細な動きでモブの攻撃を避けつつ・・・その攻撃に合わせて華麗に反撃しており。
その動きを見ていたクーリアたちですら攻撃に加勢するのが難しいと思わせるほどに見事な動きであった。
「まだ・・・まだまだまだ・・・・まだよ!!!!
ムクロ君ならもっと早く的確に!!!私が躊躇したせいでムクロ君が・・・
グッ・・・・ハァァァアァァァァ!!!!テイヤッ!!!」
「今のユリハは暴走状態ね。
動きはかなりいいように見えるけど・・・あんな無茶な動きをしたらいつかどこかでパンクするわよ?」
「ぬ、ぬぅぅ・・・あんなに激しい動きじゃとアタイたちじゃ加勢するのは無理なのじゃ・・・・
それに・・・あの動きは主殿のような動きなのじゃ。」
「あぁ、きっとユリハはムクロの代わりになろうとしているんだと思う。
自分の責任だと思い込んでの事だろうが・・・・
きっとムクロはこの状況を望んではいないはずだ。
だから早い所ユリハを助けないとな。」
ミストはそう言ってユリハが攻撃している最中に割って入り。
モブにトドメを刺し・・・・動きを止めたユリハをぎゅっと抱きしめていた。
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