第377話 ユリハの行動の結果

――――――――――――――始まりの都:ウェーブ戦


無事にユリハを救い出したムクロはクーリアたちの待つ入り口付近に戻ると。

ムクロは何を言ってやればいいのかわからず、ただ強くユリハを抱きしめると。

ユリハも悲しさと虚しさに飲まれ、涙を流しながらムクロにぎゅっと抱き着き返すと・・・・・


「ハイハイハイ・・・ユリハ~それにムクロッち。

さっきの事は仕方ないとして今は目の前の事に取り組もうよ。

それに・・・ユリハはできる限りの事をしたじゃん。

だからさ・・・そんなに思いつめなくても・・・・あぁ!!?もう!!

こういうのは私のキャラじゃないから誰か代わりに言ってよ!!」

「フフ、私は素直に語るクーリアの言葉は嫌いではないが。

そうだな・・・これから第2ウェーブ戦がやって来る。

だから是非ともユリハの力を貸して欲しい。」

「って、言ってるけど・・・どうなの?ユリハ・・・やれるの?」

「うん・・・・いつまでもメソメソできないもんね・・・・うん!!!

私もみんなと一緒に戦う!!だからムクロ君も・・・ね?」

「あぁ・・・それじゃ・・・ユリハが元通りになったところで頑張るか。」

「うむ!!アタイもビシバシと協力するのじゃ!!!」

「だね、それにモブもやって来たみたいだよ!!!

ほら・・・アレを見て!!!」

ファムの指をさす方向からはぞろぞろと鎧を纏ったサイクロプスが現れており。

その軍勢もウェーブの開始の合図を待つかのように待機し・・・・

開始の合図が鳴り響くと、プレイヤーと共にサイクロプスたちも一斉に駆け出し。

再び激しい乱戦が始まった――――――――――


「ぐぅ・・・今回のサイクロプスは攻撃が重いのじゃ・・・・

じゃが、アタイの攻撃に耐えられるかのぉ!!!!!だりゃッ!!!!」

「ユキシロやるわね~それじゃ私は・・・・はいよ。

ミストにエリ~よそ見してないでちゃんと確認しなさいよ。」

「ふふ・・・本当にバックにカバー役のアヤカがいると助かるな!!!

―――――――――――アークブレイク!!!!!」

「そうね・・・・それに・・・ユリハとムクロの戦い方にも磨きがかかって来てるわね。

でも・・・点数差は未だに大きく覆ることは無しね・・・・このままで大丈夫かしら。」

「へぇ~強く言うかと思えばエリも弱音を吐く時ってあるんだね。

何だか以外~でも、私程の高貴でもあればここからが本番って言うか?

ぎゃッ!?な、何を・・・する・・・のよ?ひッ!?」

ヴァニスはエリの触れてはいけない逆鱗に触れてしまい・・・スペルでミストのいる方へヴァニスを飛ばすと。

モブに囲まれて謝りながら剣を振っていた。


それとは別の方では・・・気合の入った2人は他者を寄せ付けない動きを繰り広げてモブを次々と倒していた。

「ゼイアァァァァァッ!!!!ハァァァ!!!!

――――――――――うぉぉぉおおぉぉぉ!!!!!」

「ハァッ!!!!フンッ!!!!!テイヤッ!!!!

―――――――――――――4連星突きフォースターレイン!!!」

「うげぇ・・・あの2人・・・気合入り過ぎじゃない?

それにユリハが地味にムクロッちの下までランキング登って来てるし・・・って、のわぁ!?」

「よそ見しないの!!!今じゃポイント何て追いつくとかどうとか言っている場合じゃないわ。

私たち全体が勝つためには全員の協力が必須よ。

だから手当たり次第にモブを倒し続けるのよ!!!」

「あぁ、全くその通りだ!!!

あの2人に個人賞を任せて私たちは私たちにしかできない戦いをしよう!!!

それが今するべき事だろう。」

「そ・・・そうね!!!私だって!!!エイエイエイエイエイ!!!!

こうやって連続攻撃でスキを突くぅってからの・・・・

―――――――――――スティールスラッシュ!!!

――――――――――――――からの・・・ガードブレイクしてアタック!!!」

「そうそうその調子で頼むわよ。

それとヴァニス・・・激しい動きをするのはいいけど綺麗な白いのが見えてるわよ?

あと・・・・前方からさらに敵影・・・強化されたモブの可能性あり。

みんな気をつけて!!!」

「了解なのじゃ!!!さぁ!!!じゃんじゃんぶっ倒すのじゃ!!!!

―――――――――――牙狼拳:瞬激!!!」

「それにライザーのギルドも近くにいるみたいだし協力してやっちゃお!!!」

「がはははは!!!!バレていたか天使!!!

そうだ!!!この俺達が全メンバーを投じて援軍に来てやったんだぜ!!!

それに知り合いのギルド連合にもちょいと声をかけて後ろを見て見な。

こいつら全員、俺たちの仲間の紅組なんだぜ!!!!」

「うおぉぉぉぉおぉぉぉぉお!!!!ギルド連合に負けは無し!!!進め!!!」

「蒼組に負けるんじゃねぇぞ野郎ども!!!!!モブは俺達紅組がいただきたぁぁ!!!!」

ライザーの連れてきたギルド連合と言う巨大なギルドコミュニティの群れは。

蒼組の狩っていたモブを横取りするように奪っていき。

次々と蒼組からモブを奪う形で倒し進めていくと。

いつの間にか点数差が10万ポイントから60万ポイントにまで膨れ上がっていた。


「よし・・・このまま前方にいる強化モブを叩くぞユリハ!!!

――――――――――クイックシフト!!!!」

「うん!!!後方から私も付いて行くから先に向かってて!!!」

自分の足の遅さを気にしたのか・・・ユリハがそう言うと。

ムクロはユリハを抱いて走り出し、強化モブと接触する辺りでユリハを素早く立たせて共に突撃して倒し始め。

その他の強化モブもクーリアたちやライザー達の方にも向かいだし。

強化モブの討伐も可能な限り行うと・・・・第2ウェーブが無事に終了して出入り口近くまで強制転移が始まり休憩タイムとなると―――――――――


「へぇ~この子が噂の白百合の剣士ちゃんか!!!

いやぁお初お初!!!いい作り込みだ!!!

それに黒い剣士のムクロまでいるとはすごいタッグだなライザー」

「だろ?この最強の2人ペアがいれば俺たちは勝利間違いなしだぜ。

それに・・・蒼組さんはどうもあぶねぇ連中が多いみたいだぜ。

さっきは遠すぎて加勢しきれなかったが・・・ムクロが倒したプレイヤーたちはキルを目的としたクソプレイヤーどもだ。

それと・・・・その・・・俺が言うのもなんだがまぁ元気出せ。

他のプレイヤーもユリハの行動に火が付いたらしいしよ?」

「え?みんなって・・・・」

「多分、ここにいるギルド全員だろうな。

ユリハの行動でこれだけの人数の心に響いたんだ。」

「そうだぜ!!!俺たちはユリハっちの行動を見てからファンになったんだ。

あんなにも天使のような行動をするやつそうはいねぇからな!!!」

「ユリハっち最高!!!ユリハ!!!ユリハ!!!ユリハ!!!」

その他のプレイヤー達もユリハの名前を連呼し始めると。

流石のユリハも恥ずかしさから慌てて場を鎮めさせ。

自分自身はまだまだ未熟でムクロには到底かなわないと語り。

それでも自分はこの生き方とやり方しかできないと大きく語りながらこのイベントを最後まで駆け抜けると叫ぶと。

大勢のプレイヤーは歓喜し、その叫びに応じて自分たちも最後まで点数を集められるだけ集めると咆えると。

ユリハはムクロの手をぎゅっと握って・・・頑張ろうとひと言いうが――――――


「あの~お2人さん?私たちを仲間外れにして話さないでもらえる?

私たちも仲間なんだしさ?2人だけのイチャイチャ空間でちゅっちゅする前に作戦会議でもしない?」

流石に我慢できなかったのか、クーリアたちが生暖かい目と冷たい視線をしているのを感じた2人はギルドを指揮するプレイヤーたちと共に第3ウェーブでの配置と行動の最終確認を取り始めた――――――――――――

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