第375話 緊急ウェーブイベント
―――――――――――――――自室
やる事を済ませた悠一は、自室に戻ってグロリアにログインし・・・・
チャットでしか接していないレイの顔を覗くためにホームに向かうと。
レイは本に集中しており、ムクロはそっとレイの目を隠して誰かと尋ねた。
「ん~そうですね・・・この手の大きさと匂いからしてご主人様です。」
「手の大きさと匂いって・・・レイは犬じゃないだろ?って・・・そんな事より。
久しぶりだな、レイ・・・元気にしてたか?
少し合ってなかったから顔を見に来たんだが・・・・」
レイにそう語り掛けると、レイも久しぶりと言い返し。
画面にランキングボードとユリハ達のポイントグラフを表示させ・・・レイはこのボードとモブの出現とムクロたちの体力や状態をモニタリングして退屈はしていないと語り・・・
昨日や先日あった危険な状態を何度か目にし、レイはいつ飛び出そうかとヒヤヒヤしていたと語ると。
ムクロはレイに心配をかけたと謝り、ムクロは話を変えるようにランキングの話にすり替えると・・・・
「はい、ご主人様はこのポイントランキングで9位の位置におられます。
それを追いかけるように12位にユリハやそれから後方にはいつものメンバーが控えておりますが。
それよりも点数の開きがあまりよろしくないので残り時間3日でどこまで巻き返せるかが勝敗のカギになるかと思われます。
その件についてご主人様は何かプランがおありですか?」
「今、どうあがいても点数はどっこいだと思うから。
やっぱりここは一気に点数を稼げるウェーブイベントだろうな。
でも・・・点数を出そうにも参加者の数が多くないと大変なんだよな。
それに俺はソロで点数稼ぎをしたら駄目だと言うユリハ達の制約もあるからな。」
ムクロは色々と状況と現状の説明をすると、レイもムクロの語ったウェーブイベント以外ではほぼ巻き返しは不可能と断言すると。
ムクロはレイと同じ意見だと答えて席を立ち・・・・そろそろ拠点でモブ狩りの準備をすると言って出て行く際に。
また顔を覗かせるとだけ呟き・・・部屋を後にした。
そして、ムクロはウェーブイベントで点数を稼ぐにはどうすればいいのか考えながら拠点の前で考えていると。
首筋にひんやりとしたものが付きつけられ・・・・
「オワッ!?なんだッ!?」
「ぷふッごめんごめん。
すごい集中してたみたいだけど・・・何か考え事?」
後方から冷たい缶のジュースが押し当てられてびっくりするハルトにソレを手渡して現れたのはアヤカで。
真剣に考えていたことについて尋ねてきた。
「いや、ポイントイベントで勝つにはどうしたらいいかって思ってさ。
で、ホームでレイと話してみたんだが残りのウェーブ戦をうまく利用して稼がないとどうにもダメそうなんだよな。」
「でも、軽く見て誤差は数万でしょ?
その差を一気に逆転させるとなると・・・・やっぱり皆で協力してウェーブイベントが手っ取り早いけど。
でも、これってそう言うわからないトコを楽しむイベントだと私は思うの。
だから・・・なるようになるで、流れに身を任せてやればいいんじゃないかしら?
それに、ユリハ達もそこまで勝利に飢えてるわけでもないでしょ。
何方かって言えば皆と参加した思い出作りって言えばいいのかしら?
そっちの方がメインのような気がするわね。」
アヤカの回答にムクロは笑うと、アヤカは茶化されたと勘違いして銃を向けると。
ムクロは謝りながら説明をすると・・・・アヤカは銃を下ろし。
これからの流れはウェーブイベントはできるだけ参加するようにして、モブ狩りにもより力を入れると語ると。
空からファムが下りてくると共に後方からヴァニスがやって来た。
「ふぅ・・・何とか間に合った。
で、今日もこれからモブ狩り?それとも街で騒ぎになっていた緊急ウェーブイベントかしら?」
「ん?ヴァニス・・・もう一度言ってくれないか?」
「あれ?ムクロたちは知らなかったの?街とか一部の広告に緊急ウェーブ戦開始のお知らせって言うのが来てたんだよ。」
ヴァニスとファムの言葉を聞いたムクロはアヤカとアイコンタクトを取り。
すぐに街へ向かってユリハ達にチャットを送ると。
既にユリハ達は街のフィールド出入口前でスタンバイしており、ムクロたちはユリハ達を何とか見つけ出し・・・・合流を果たした。
「突然のウェーブ戦にびっくりしたよ。
でも、これってある意味チャンスだよね!!私、今回のウェーブ戦でムクロ君を抜いてみせるよ。」
「ちょっとちょっと~ユリハ~抜け駆けはないんじゃない?
私はこの新しい杖になったんだから今までの私と一緒にしてもらっちゃ困るよ?」
「さっきまでキメラに追いかけられてたクーリアが良く言うわね。
でも、油断はしないでおくと言っておくわ。
それに・・・ここで一気に点数を稼いでチーム全体に貢献するのもいい機会だと思うわ。」
「そうだな、私も気合を入れて剣を振ろう。
そして・・・ムクロに近づいて見せよう!!!」
「心強いと言うか侮れないと言うか。
よしわかった・・・だったら俺も少しだけ力を出して戦うとするかな。」
「よぉ~ムクロたちもやっぱり来たか。
この緊急ウェーブ戦は点数が高いらしいからお互いに頑張ろうぜ!!!
これもチームの勝利の為ってな!!!ガッハッハッハ!!!」
「どうもっす!!!ムクロさんがた!!
ライザーさん本当は・・・どう転んでも個人ポイントじゃ負けるからってあぁ言ってるだけ何です・・・気にしないで上げてくださいっス・・・・」
自身のギルドメンバーに内情を語られたライザーはそのメンバーに肩組をして引きずり出してどこかへ行くと。
ムクロたちは点数が高いと知り、さらに悶々とモブ狩りに意識を集中させていると。
ついに第1ウェーブ戦がスタートした――――――――――――
「うぉぉぉおぉ!!!!ゼイアァァァッ!!!
――――――――――ブレイブダンス!!!!!」
「さすがムクロ君・・・私はこっちのモブを・・・・
ハァァアァァァァ!!!!
―――――――――――
「2人ともガンガン討伐してるけど・・・・今回のモブは点数が高いだけあってどれも中ボスクラスの強さ何だけどなぁ・・・・
くッ・・・こうなったら・・・全部狩られる前にとっておきのを見せてやんよ!!!多重セットスペル発動!!!
――――――――――――――ファイアーブラスト!!!
―――――――――――――――アイスニードル!!!
――――――――――――――――ソニックハリケーン!!!
―――――――――――――――――カオスライトニング!!!!」
「これは・・・4連続スペル・・・クーリアが自慢したかった意味がようやく分かったわ。
でも、そうね・・・・中級クラスのスペル4つに対してこっちは上級スペル・・・
格の違いを見せてあげるわ!!!」
「ふ、2人とも・・・今回はやる気満々といった所か・・・・バフも何もあったモノじゃないな。
だが・・・・私もやるといったんだ。
こんなところでモタモタしてもいられまい!!!
―――――――――――――――――アークブレイク!!!!」
「ぬほぉぉ!!!みんなやりおるのぉ!!!
じゃったらアタイもじゃんじゃん撃って撃って撃ちまくるだけなのじゃ!!!!
―――――――――牙狼拳:瞬激!!!!」
「それ私も賛成!!!いっけぇ!!!
―――――――――――ナパームファイヤー!!!」
第1ウェーブ戦が始まってからというもののムクロたちは他者を圧巻させるほどの凄まじい戦いを見せ。
モブを倒していると、追加の強化モブが出現し・・・・多方向へ散らばり。
ムクロたちが戦っている方にも強化されたモブが移動していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます