第343話 チーム戦のルールの確認

――――――――――――自宅:台所


悠一たちはそれから食事を済ませると・・・各自お風呂等を済ませたら悠一の部屋に集合することになり。

悠一は一足先に部屋に戻って明日の用意をしていると――――――


「あのさぁ~ねぇ・・・ここがわかんないんだけどおしえてくんない??」

「宿題か・・・あぁ、いいぜ。

ここか?これはだな・・・・・・・・・・」

耀子がお風呂から上がって来たかと思うと、手には宿題のプリントが握られており。

わからない箇所を答えを教えてもらうのではなくやり方を教えてもらっていると・・・・


「へぇ、今回は答えを見せろと言ってないのね。

少しだけ感心したわ。」

「だって・・・見せてもらおうとしたらコトハが止めるでしょ??

それに・・・私だって勉強が嫌いなわけじゃないし?

ただ・・・解こうとしている時間があったらグロリアで情報集めができるじゃん??」

「あはは・・・耀子はこの状況でもブレないな。

でも、今はこの宿題に集中だ。

あと少しで終わるんだ・・・気合入れていけ。」

悠一は再び耀子に解き方を教えながら進め・・・コトハの参加もあって5分程度で宿題が済むと、耀子は悠一のベッドに寝転がって大の字になっていた。


「あぁぁ~~~終わったぁ~~ホント、勉強がグロリアみたいな内容だったら私はエリートだったんだけどなぁ。」

「そうだな、耀子の蓄えてるグロリアの情報は多大だからな。

公式とか情報掲示板に乗ってないことまで知っているのは本当に心強い事だ。」

「そうね、悠一がそう言うのならただのにならずに済んだわね。

でも、よく考えてみたらだから両方オタクよね。」

耀子は全力で否定し悠一はと言うと・・・・否定できないと感じ。苦笑いしかできずにいた。

そして、宿題が済み暇になったとぼやきだし・・・流れ的にグロリアをすることとなった3人はホームで集合することにしてグロリアへログインした。


「グロリアに来たのはいいが。

メンテ開けはやっぱりすごい人だな・・・・それに、これ全員がチーム戦参加者なのか・・・」

「どうしたのかしら??そんな所で立ち止まって。

集合はホームでしょ?クーリアなら先に向かっていると思うしホラ、私たちも早く行くわよ。」

ムクロはエリにぐいぐいと腕を引っ張られながらホームにやって来ると。

ファムやユキシロたちはチーム戦の事でワイワイと賑わっており。

その声にレイがうんざりした表情で本を読んでいた。


「ただいま・・・えっと・・・この状況ってアレか??」

「はい、ご主人様のお考え通りです。

この2人はイベントが来ると言って大はしゃぎで・・・・

私の読書の時間が台無しです。」

「主殿ぉ~~見たのじゃろ見たんじゃろ!?

あのイベントの広告を!!」

「そのイベントは私たちも参加するからよろしくね!!!

もちろんムクロのPTとしてね!!!」

「2人とも少し落ち着いてくれ。

読書中のレイの邪魔にならないようにしないと駄目だろ?」

ムクロは2人を落ち着かせてから謝らせると。

レイはため息をつきながら台所へ向かい、お茶を淹れてやってきた。


「ご主人様が来た時点で読書の時間はおしまいなので2人からの謝罪は結構でしたが。

気を使ってくれたご主人様の意を無駄にしない為に受け取っておきます。

さぁ、淹れたてのお茶でございます。」

「あぁ、ありがとう・・・で、レイは今回のイベントには参加するのか??」

「それがさ?レイからの話を聞く限りじゃ今回のイベントはGMから参加NGにされたんだって。

レイが入った方のチームに点数が傾く可能性があるからそうしたんだってさ。」

「うむ、残念なのじゃ・・・じゃが。

レイレイが参加できない分・・・アタイたちが頑張らねばならないのじゃ!!」

「うんうん!!!私たちには個人ポイントは入らないけど。

レイの分まで頑張りたいんだ・・・だから気合が入ってるの。」

「でも、GMの意見もわかる気がするわ・・・・

眠らずに行動できるレイ達を参加させれば一晩で大きな差が生まれることを考えたんでしょ。

それに、私たちはどんな状況でも手を緩めるつもりはないから安心していいわ。

開始前にはユリハとミストが合流する予定だから。」

エリの言ったユリハとミストの名を出すと、ファムたちは早く戻ってこないかと待ち焦がれており。

2人が加わった時点でイベントはどこから回って点数を稼ぐのかクーリアや皆が興味津々でムクロに案を聞くと。


「そうだな、先ずはこの中級層のここかここだな。

初級だとルーキーとか点数稼ぎ専門のプレイヤーが出てくる可能性と縄張りを独占するプレイヤーが出ると思うからな。」

「そうね、初級層には群がって新人を潰して楽しむプレイヤーが多いモノね。

そんな下劣なプレイヤーを見てると私がモブと同じように一掃したくなっちゃうわ。

でも、私よりムクロの方が先に手が出そうだけど。」

「うむぅ・・・この場合のプレイヤーキルはどういう扱いになるのじゃ??」

「ん~ルールには1日4名までのPKが免除されるって書いてあるから。

きっとエリが言ったルーキー狩りとか特定のプレイヤーを潰すプレイヤーが出てくると思うよ。

私たちも例外じゃないからちゃんと気負付けておかないとだね。

それと、4人以上をキルした場合は点数の減点になるから注意だって。」

「でなければ相手プレイヤーを皆殺しにしてポイントストップの事態になり得ますからね。

ある程度の制約と行動の範囲は縛られるでしょう。

ですから、私はこのホームからご主人様たちのサポートを行いたいと思います。

さらに姉さんがいればより解析が捗るかと。」

一緒に行動できないレイはホームからのナビをすることになり。

ムクロの言ったマップをレイが広げて皆に見えるように拡大すると、マップ上では確認し辛い地形であり。

ここに何があるのかとクーリアが尋ねると――――――


「このマップの位置は偶然見つけた昔の狩場なんだが。

今でも使えるのであれば中型のモブが現れるリスポーン地点のはずだ。

つまり、ここを使えればある程度の点数稼ぎができるって事だな。」

「ハイ、情報をある程度調べて結果で申し上げますと。

この地点ではモブの再発生するケースが高いと言う結果が出ました。

再発生するモブは中型から時に大型まで現れますのでご主人様が言う通り。

ある程度の点数稼ぎができるかと。」

「ふ~ん、こんなにいい穴場スポットを知っててどうして今まで黙ってたのさ??」

「それはきっと、クーリアが情報屋のネタにしてバラまくと考えたからでしょ?

でも、私も知らない事だから・・・ソロ時代に使っていた場所かしら??」

エリの問いにムクロはコクリと頷くと。

中型から大型まで現れるスポットなのだが、時々ボスモブも出現すると言うと。

ファムとユキシロはさらに燃え上がってやる気を出していた。


「ぬぉぉぉ!!!そんなすごい狩場があったとは・・・・グロリアの世界は本当に面白いのじゃ!!」

「そうだね、でも・・・ボスモブは少し怖いかも。

どんなモブが出てくるのかもわからないし。」

「昔のままなら、プリズムゴーレムとかサンダーキメラが多いかな。

でも、互いは中型モブとか大型モブだな。」

「その2体なら私だけでも十分ね。

で、本題はやっぱりユリハ達が参加できるかどうかよね。」

「うん・・・でも、あの2人なら大丈夫じゃないかな??

それに今はこのイベント以外にもなんか面白いクエストが来てるみたいだし行ってみない??」

そう言ってクーリアは今回追加された新しいイベントクエストを見せると。

ムクロたちはその内容を読み、行きたいのなら手伝うと言うと。

クーリアはすぐに行こうと言ってファムたちも引っ張り出してクエストに向かった。

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