第340話 見た事のない場所を目指して

――――――――――――――――自宅


悠一は夕飯を温めて用意してもらっている間にお風呂の用意をして戻ると。

ちょうど2人は用意ができたと言って席についており。

悠一たちの早い夕食が始まった。


「今日の夕食はカレーライスよ。

少して抜きかもしれないけれど・・・・その辺は許して・・・」

「いや、そんなことない。

俺としてはこうやって誰かにモノを作られないと料理がてんで駄目でさ。

本当に2人がいてくれて助かった。」

「べ、別に・・・私たちは泊めてもらってるわけだし??

これくらい普通って言うか・・・気にしなくていいって言うか・・・ねぇ?

と、とにかく!!!冷めないうちに食べようよ!!」

と、言って3人はカレーライスを食べながら先ほどのハーフメタルドラゴンの戦い方について問題の指摘や先にあった花畑の話をしていると―――――――


「ん?誰だ??ん、由里??」

「チッ・・・いい所で由里の邪魔が・・・・いつもいい感じになったところで入って来るんだから――――――――」

「どこかで聞いているのかもしれないわね。

それにブツブツ言ってる悪口も全部聞こえているかもしれないわよ??」

コトハの言葉に耀子はハッと口を塞いでアクションをすると。

悠一は苦笑いしながら由里との通話を続け。

一通りの話を済ませて通話を切ると、目の2人はスプーンを置いて少し冷たいジト目を悠一に浴びせながら睨みつけていた。


「俺、なんか変なこと言ったか??」

「べっつにぃ~~由里とイチャイチャ話をこれでもかって言うくらい聞かされて不機嫌とかじゃないし??」

「そう言う通話はこの場でするのは良くないと何回も言ったでしょ??

はぁ、悠一の家だからそれ以上の事は言えないけど。

電話の時は少し場所を変えるとかしてもいいと思うって言う事よ。

さぁ、食べ終えたらさっさと皿洗いを済ませて空いた人からお風呂を済ませて。

私は最後でいいから。」

と、言うと・・・耀子は一番風呂をいただくと言って風呂場に消えて行き。

残った悠一とコトハは手分けして皿を洗って拭くと、耀子を待っているあいだ2人は何も話すことなく。

何か話せる話題を考えていると、コトハの方から話しかけてきた。


「その、私たちがこうやって悠一の家に泊まりに来てるのは・・・涼孤さんと由里には秘密にしてるけど。

それって・・・どうなのかなって時に思う時があるの。

悠一はどう思う??これってフェアじゃないと思わない??」

「そうだな、俺は秘密にするようなことじゃないと思うんだが。

この状況で言ったら2人は何て言うか・・・

だけど俺は2人がこうやっていてくれて本当に助かったって思うし。

いつもと違って楽しかった、ただそれだけだ。」

悠一はそう言うと・・・コトハはブロッサムで誰かに通話したかと思うと。

姉さんと由里との3人でグループ通話を行っており、コトハの冷静なトーンで2人を納得させられたのか通話を切ると。

悠一の方にコトハはニコッと笑みを投げると・・・悠一のブロッサムが震え。

その中を覗くと、由里と姉さんからの通話が来ていた――――――――


「で、どういう事なんだ??コトハさんから全部説明はしてもらったが。

男として先に自分から言わないのはどうなのだ?

全く・・・この件は帰ったらきっちりと面と向かった話をさせてもらうからな!!

ゼッタイだぞ!!!忘れるんじゃないぞ!!」

「あはは・・・私も、同じ意見かな。

コトハちゃんからの説明だと2人が一つ屋根の下で・・・屋根の下で・・・本当に悠一君は何もしてないよね??」

「ん?何をしていないって??グロリアを一緒にして・・・皿を洗ったり手料理をご馳走してもらったり。

あぁ・・・後は明日の学校の弁当も作ってくれるって――――――」

悠一はコトハの事だから明日の事も話したであろうと語ると。

由里はその話は聞いていないと言って通話を切る前に「バカ」と呟いて通話を切ると。

姉さんも帰ったら楽しみにしておくようにとだけ言って通話を切ると。

コトハは知らん顔をしていた。


そして、数分後・・・・


「ふっはぁ~~いい湯だったよぉ~~お次は悠一でしょ??さっさと入っちゃいなよ。」

「あぁ、それじゃお先に。」

「えぇ・・・しっかり入ってきなさいよ。」

何かあったと感じ取った耀子は先ほどあった件について話すと。

耀子は恐る恐るブロッサムを起動してメールを覗くと――――――


「うげッ・・・・由里と涼孤さん・・・すごいメール書いてきてた・・・

こりゃ、ウソも誤魔化しもしない方が身の為かな。

で・・・悠一は大丈夫だったのって・・・一番ダメなのが悠一か・・・アハハ。」

「そうよ、だから早くメールを書いて送る事ね。

少しでも早い方が2人の気持ちもスッキリすると思うし・・・・」

2人が謝罪の内容を考えて送り終わる頃に悠一が風呂から上がると。

コトハは何も言わずにお風呂場に向かい・・・悠一はコトハに今日はどうするのかと尋ねると――――――


「なになに??悠一は私たちと一緒に寝るのが癖になっちゃったとか???

そりゃ、悠一が・・・その・・・一緒でもいいって言うんだったら・・・いいよ??」

「いや、その・・・俺は別にどっちでもいいんだけどさ。

明日は学校だから俺はすぐに寝るつもりだがな。

耀子がしたければグロリアをするのは止めはしないけど・・・遅刻するのは嫌だぞ?」

悠一が冷静に語ると、耀子は遅刻の事を考え・・・グロリアはしないけど一緒の部屋で寝ると言うと。

悠一と部屋に入り・・・コトハを待っている間・・・今日の花畑の事について話し始めた。


「ねぇ、今日行った裏フィールドの花畑覚えてる??

あの花畑の景色が今でも忘れられなくてさ・・・って!?何笑ってんの!?

私がそういう話したら笑うってどうなのさ!?」

「いや、悪い悪い・・・耀子って花とか興味なさそうな気がしてさ。

そうだな・・・あの花畑は俺も今までで一番きれいだと感じたかもしれない。

あんなに花が咲いてるところも他にないからかもしれないが、グロリアにはまだまだあんな場所があると思うと俺がクリアまでに歩んできたフィールドは極一部って言うがわかったし。

だから、これから耀子や皆でクロアを目指す上で俺の課題はを皆で見たいっていうのが一つの課題だ。」

悠一が熱く語ると、耀子が何かを言う前にコトハが現れ・・・話を聞いていたのか感想を述べ始めた。


「だったらまずはマッピングしながら探索ね。

誰も踏み入れない場所から高レベル高難易度の苦戦を強いられる場所にそう言った何かがある可能性が高いわ。

全てがそうというわけじゃないけれど・・・どうせなら無茶をするのでしょ??」

「そうだな、皆が俺を支えてくれるのなら俺もみんなを全力で支える。

だから・・・無茶をしてでも見てみたいな。」

「ま、今この場で言う事じゃないよね。

だって・・・彩花たちにちゃんと説明しないとだし??

それにさ・・・クリアまでの道のりはソロだとまだ楽かもしれないけど。

私たちがいることを考えてよ??これでもまだまだなプレイヤーなんだからさ??」

耀子は少し自信がないようにも聞こえたが、悠一はみんなで支え合えば大丈夫とだけ言ってベッドに潜り込むと。

2人もそれ以上の事を言う事はせず床に敷いた布団に入って寝ると。

そのまま時は過ぎ、朝を迎えており――――――――――


「ホラ、悠一朝よ・・・起きなさい。

耀子も顔を洗って着替えてきなさいよ。」

「あれ、お母さんがいる??ここは私の家??むにゃむにゃ・・・・」

「おはよう・・・耀子・・・それじゃ、コトハが起こり出す前に身支度を済ませるか。」

2人はそう言って身支度を済ませると、コトハの待つ台所に集まり。

朝食を済ませて学校へと向かって出発した――――――――――

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